【獣医師監修】ポメラニアンの被毛の特徴と抜け毛について
ポメラニアンは被毛の色が豊富なことで知られている犬種ですが、世界的に見ると20種類以上の色が存在するといわれています。では、そのポメラニアンの毛はどのような特徴を持っているのでしょうか。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
ポメラニアンは抜け毛が多い
ポメラニアンの祖先は、アイスランドなどの氷原でソリを曵いていた、サモエドというスピッツ族の大型犬です。この大型のスピッツがドイツに渡り、牧羊犬、番犬として活躍しながら徐々に小型化されていきました。その後、イギリスに持ち込まれた時に、北ドイツのポメラニア地方で多く飼育されていたことから「ポメラニアン」と呼ばれるようになりました。
ソリ犬として活躍していたスピッツ族をルーツに持つポメラニアンの被毛は、触り心地のよいダブルコートです。ダブルコートと呼ばれる被毛は、下毛(アンダーコート)と上毛(オーバーコート)の二重構造になっています。下毛はおもに冬に活躍する毛なので、寒さから身を守り体温を保てるように短く密集して生えているのが特徴です。この下毛が春の換毛期に抜け落ち、暑い夏に涼しく過ごせるようになります。
また、ポメラニアンはどの犬よりも多彩な毛色を持つ犬種といわれています。ざっと上げるだけでも、ホワイト、ブラック、ブラウンといった基本色から、レッド、オレンジ、クリーム、セーブル、ブラックタン、ブラウンタン、ブリンドルなどがあり、これらの毛色が混在したコンビネーション色など、本当に様々な毛色のポメラニアンが存在します。
ポメラニアンのブラッシング方法
基本的に、犬には春と秋、1年に2回換毛期が訪れます。とくにポメラニアンは、春の換毛期にアンダーコートがたくさん抜け落ちます。ポメラニアンらしいふわふわの毛並みと皮膚の健康を守るためには、どのようなお手入れをすればよいのでしょうか。
ポメラニアンの場合、軽いブラッシングでは上毛しかブラッシングされないので、下毛のお手入れにはなりません。被毛の表面はきれいになっていたとしても、下毛は毛玉ばかりといった状態になってしまうこともあります。毛玉ができてしまうと、シャンプーやブラッシングの際に引っ掛かってしまい、ポメラニアンはとても痛がります。このようなことが続くと、「シャンプーやブラッシングは痛いもの」とインプットされてしまうので、なかなかシャンプーやブラッシングをさせてくれなくなり、結果として被毛や皮膚の状態を悪化させてしまうことになります。
そうならないためにも、毛玉を見つけた時はすぐにほぐすようにしましょう。脇の下や耳の裏、おしり周りなど擦れやすい場所は毛玉ができやすいので注意が必要です。ブラッシングは、毛玉を防止するだけでなく、マッサージやスキンシップにもなるので定期的に行いましょう。
あまりにも毛玉がひどい場合は、無理にほぐそうとすると皮膚を傷つけてしまうおそれがあるので、動物病院やトリミングサロンで処置をしてもらいましょ
ポメラニアンのシャンプー方法
ポメラニアンは被毛が多いのでシャンプーの頻度も増やすべきなのでは? と思われがちですが、ほかの犬種同様、月に1回程度で十分です。というのも、シャンプーの回数が多すぎると皮膚を守る皮脂まで洗い流してしまうので、かえって皮膚病になりやすくなってしまうからです。
シャンプーをする時は、ぬるま湯を使用します。いきなりぬるま湯をかけると犬がびっくりしてしまうので、足→おしり→カラダ→頭と少しずつカラダの上部に向かって濡らしていきます。シャワーを使用する場合は、シャワーヘッドをなるべく犬のカラダに近づけてあげるのがポイントです。毛玉ができてしまっていないか確かめながら、腋の下、足の裏など汚れやすい場所はとくに念入りに、やさしく洗ってあげましょう。それぞれの部位をきれいにしてから、最後に頭を洗います。ぬるま湯を頭にかける際は、耳に水が入らないように注意してください。くれぐれもシャンプーの洗い残しには気をつけましょう。
シャンプーが終わった後は、全身をくまなくタオルで拭いてあげます。その後、ドライヤーを遠めに当てて(ここがポイントです)、全身を乾かします。
ポメラニアンはしつけやすい性格ではあるものの、抜け毛が多く、お手入れがちょっと大変な犬種です。しかし、ぬいぐるみのような愛らしいルックスと、元気いっぱいの性格を持つポメラニアンは、家族の一員として日々飼い主を癒してくれます。毎日のお手入れも楽しみながら、ポメラニアンとのドッグライフを楽しみましょう。
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