【獣医師監修】チワワのご飯の与え方と注意点
チワワはカラダが小さいこともあり、食が細い場合も少なくないといわれています。しかし、カラダが小さいからこそ、毎日の食事で充分な栄養を摂取することが大切です。そこで今回は、チワワのエサの与え方について解説していきます。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
チワワにエサを与える際の注意点
チワワに限らず、犬にご飯を与える際の注意点として、人間用に味付けされた食べ物を与えないこと、毎日決まった時間に与えることがあります。
人間用の食べ物は味が濃く、脂肪分や塩分のほか、犬にとっては有害な添加物なども多く含まれていることから、犬の健康を損なうおそれがあるだけでなく、ドッグフードの食いつきが悪くなる場合もあります。
また、食事時間を決めることで規則正しい生活になり、健康の増進につながります。
犬はもともと肉食に近い雑食動物なので、良質な動物性たんぱく質を摂取する必要があります。そのためにも、まずは肉・魚を原料としたドッグフードをメインに与えましょう。
犬にとっては、ビタミンも大切な栄養素のひとつです。とくに、ビタミンA・ビタミンB類・ビタミンDなどは、健康維持に役立ちます。
犬の食いつきや運動量、アレルギー症状などに注意しながら、これらの栄養素が充分に含まれた良質なフードを与えるようにしましょう。
チワワの幼犬のご飯
チワワの仔犬には、ブリーダーやペットショップで与えられていたフードを継続して与えます。生後2~3ヶ月までの仔犬は消化器官が未発達なので、仔犬用のドライフードをぬるま湯でふやかしたものや、ウェットフードをスープ状にしたものなど、少しでも消化の良い食事を1日4~5回に分けて与えましょう。
臆病な性格のチワワには、金属よりもセラミックの器がおすすめです。金属の器は、フードを食べる時に「カチカチ」と音が鳴るので、臆病な性格のチワワは驚いてしまうことがあります。
最初は飼い主の手で与えるという方法もありますが、それに慣れてしまうと器から食べなくなってしまうことがあるので、徐々に器で与える方法に変えていきましょう。
また、わがままな性格のチワワは、自分の気持ち次第でフードを食べないことがあります。そんな時は、しばらく様子を見てみましょう。わがままでフードを食べ渋っている場合は、お腹がすくと食べ始める可能性があります。
あまりにも長い間フードを食べようとしない時は、カラダに何かしらのトラブルを抱えているのかもしれません。とくに、幼犬の時期は栄養がたくさん必要なので、この時期に食事の量が不足すると、その後の健康にも悪影響を及ぼすおそれがあります。
また、チワワのような小型犬の仔犬は、空腹時に低血糖症(ていけっとうしょう)を起こしやすいという特徴があります。低血糖症とは、血糖値が低下することにより、細胞に栄養を補給する機能が低下してしまう病気です。
犬のカラダが震えたり、ぐったりするなどの症状がみられ、最悪の場合は命を落とす危険もあるので注意が必要です。
チワワの成犬のご飯
チワワの消化器系の発達が進んだ生後3~4ヶ月頃を目安に、ふやかしフードからドライフードへの切り替えを行います。フードを切り替える時は、一気に変えてしまうのではなく、1ヶ月くらいかけて少しずつふやかしフードを減らしていき、ドライフードを増やしていきます。
チワワは繊細な性格の犬が多いので、フードの移行時に下痢を起こす場合があります。その時は、一時的にふやかしフードに戻して様子を見ましょう。
成長期の仔犬には幼犬用のフードを与えますが、チワワの成長が落ち着く生後1年頃を目安に、少しずつ成犬用のフードに切り替えていきましょう。この時も、食欲が落ちたり、下痢をしたりなどの症状がみられる場合は、一時的に幼犬用のフードに戻す方法もあります。
ただし、仔犬用のフードは成犬用のフードと比較して栄養価が高いので、肥満にならないよう注意しましょう。また、食事の回数は1日2回くらいにまで減らしていきます。
チワワに与えてはいけないもの
チワワに限らず、犬全般に与えてはいけない食べ物としては、以下のようなものがあります。
●ネギ類、チョコレート、アルコールなど中毒症状が出るもの
●唐辛子など辛いもの
●タコやイカなど中毒症状が出る可能性があり、消化が悪いもの
●鳥や魚の骨のような、内臓を傷つける可能性のあるもの
チワワはとくにカラダが小さいため、ごく少量の摂取でも命に関わるおそれがあります。飼い主が目を離した隙などに誤って口にしてしまわないよう、これらの食べ物はチワワの届かない場所に保管してください。
愛犬の健康を守るためには、それぞれの体格やライフステージに合わせて、エサの種類や与え方を変えていくことが重要です。日頃から犬の様子に気を配り、健康的な食生活を心がけましょう。