【獣医師監修】犬にバナナを与えていい? バナナのメリットと注意点について
栄養価の高い果物の代表格、バナナ。人間にとっては健康に良いとされている果物のひとつですが、犬にとってはどうでしょうか。そこで今回は、犬とバナナについて解説していきます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬はバナナを食べても大丈夫?
犬にバナナを与えることは、アレルギーがない限り問題ありません。むしろ、甘みのあるバナナを好む犬は多く、犬が食べたそうにしているのであれば与えても大丈夫です。しかし、カラダの小さな犬にとっては、人からみた一口サイズでも糖分のとりすぎになることがあります。また、丸飲みして喉に詰まらせることもあるので、初めて与える時は粗みじん切りくらいのサイズにカットしてあげてください。
また、良質なフードをしっかり食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。ほかの食べ物を与えることで、それまで食べていたフードを食べなくなることもあります。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたいと考えている時などに参考にしてください。
バナナの効能
バナナが持っているといわれている効果について解説します。ただし、人と犬は違う動物です。犬の場合でも、人と同じ効果が期待できるとは限らないので注意してください。
まず、バナナは栄養価が高いので、健康状態を良くしてくれます。バナナには、ビタミンB6を筆頭にビタミンB1・B2、ビタミンCなどのビタミンが含まれていますし、カリウムやマグネシウムなどミネラルも豊富です。ビタミンB群はエネルギーの代謝を良くするといわれていますし、カリウムは血流をさらさらにし、マグネシウムは血圧を調整してくれます。この、カリウムとマグネシウムの組み合わせは、心臓の健康にとってとても重要な栄養素といわれています。
また、バナナには繊維質が多く含まれていることから、便秘予防にも効果的といわれています。フラクトオリゴ糖という腸内の善玉菌やビフィズス菌を増やす働きがある成分も含まれているので、腸内環境を整えてくれます。腸が元気になると、免疫力がアップするというプラスの副作用もあります。
スポーツ選手は、運動をする前にバナナを食べるとよくいいますが、これはでんぷんやブドウ糖、果糖など、数種類の糖類が含まれていることが理由です。ブドウ糖はエネルギーに変わるスピードが速く、果糖はゆっくりエネルギーになるので、長時間に渡って元気な状態をキープできるというわけです。
犬にバナナを与える時の注意点
とはいえ、バナナの与えすぎには注意しましょう。というのは、バナナ1本(100g)のカロリーは約86kcalです。これは、茶碗半分くらいのごはんと同じカロリーです。人間にとってはそう多くないカロリーも、カラダの小さい犬にとってはかなりの高カロリー食品です。
栄養の面では非常に優れているバナナですが、犬にとっては必ず与えなければいけない食べ物ではありません。確かに、最近では犬に飼い主と同じものを食べさせたいという風潮があるので、バナナを好む犬が多いことも事実です。しかし、犬が食べたいだけのバナナを与えてしまうと、犬の健康を害してしまう恐れがあります。犬を喜ばせようとバナナをたくさん与えてしまうと、犬にとってマイナスに働く可能性があるのです。
また、数は少ないですが果物アレルギーを持っている犬もいます。バナナを初めて食べた時に、嘔吐や下痢をしたり体調を崩したりする場合は、バナナが犬のカラダに合っていない可能性があります。少しでもいつもと違う様子を感じた時には、それ以上与えることは控えましょう。
バナナ以外にもアレルギー症状が出る食べ物はあるので、どんな食べ物でも初めて与える時には注意するようにしましょう。
このように、バナナは絶対に食べてはいけない食べ物というわけではありませんが、犬の体調やドッグフードの量とのバランスを、飼い主がコントロールする必要があるでしょう。
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