【獣医師監修】デグーの飼い方入門。デグーをお迎えする前に必要なもの
デグーはアンデス地方の山岳地方が原産の小動物で、最近は日本でも人気が高まっています。賢くて人になつきやすいデグーを飼うにあたって、必要なものを紹介します。
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監修:オールペットクリニック 平林雅和院長
デグーとは
デグーはアンデス地方の山岳地帯が原産で、チンチラやモルモットの仲間です。体長は12~20cm程度、体重は170~350gほどになります。個体差はありますが、平均寿命は5~8年程度です。
デグーは齧歯目デグー科に分類される小動物で、デグー科はさらに「デグー属(Octodon degus)」や「フサオデグー属(Octodontomys gliroides)」などに分かれます。このうち、ペットとして多く見られるのはデグー属のチリデグーとペルーデグー、フサオデグー属のフサオデグーなどです。
デグーの毛色は様々ありますが、ペットのデグーの中で一般的な毛色は「アグーチ」という茶色のカラーです。
ほかにも「ブルー」と呼ばれる灰色の被毛があり、さらにはアグーチとブルーのパイドが見られます。パイドとは、毛色ではなく柄の出方を指し、ぶち模様が出ることをいいます。
歯は黄色みがかっていています。デグーの歯は伸び続けるので、何でもかじります。
しっぽは、先の方に長い毛が生えている部分があるのも特徴で、手でつまむと切れてしまうことがあるので注意しましょう。
デグー属やフサオデグー属のデグーは、社会性の強い生き物です。野生下では群れで行動しているため、仲間同士の毛づくろいや鳴き声でコミュニケーションを取ります。
また、とても賢いという特徴があります。訓練をすることで、道具を使ったり、芸をしたりするようになるデグーもいるそうです。
学習能力があり、飼い主ともコミュニケーションを取ろうとすることから、人になつきやすいペットとして人気が出ています。
家に迎える前に用意しておくべきもの
ケージ
小さい時は保温性の高い水槽ケージがおすすめですが、カラダが大きくなったら金属製ケージに移す必要があります。デグーは高い脚力を持っていて、上下に移動することが多いため、ある程度高さのあるケージを選びましょう。床材は牧草やウッドチップなどが市販されていますが、現在のところデグーに最適な床材は判明していないため、以下のようなポイントに注意して選びましょう。
○清潔に保つことができる
○糞便などの数や形状を確認できる
○牧草を常に摂取することができる
○デグーが巣作りの素材として好む
○デグーの足の裏を健康的に維持できる など
エサ
完全草食性なので、チモシーという牧草を主食にするのがおすすめです。チモシーだけでは摂取できない栄養もあるため、専用のペレットで栄養を補ってあげましょう。 多くの場合、与えるペレットの量は体重の1-2%(1-2g/100g)で十分です。成長期には2%程度、成熟したら1%程度を目安にしてください。
回し車やかじり木などのおもちゃ
運動不足やストレス発散のために用意します。回し車は足を挟んだりしてケガをしてしまわないよう、デグーのサイズに合ったものを選びましょう。 また、齧歯類のデグーにはものをかじる習性があるため、ケージ内にかじり木など、かじられるタイプのおもちゃを設置してあげるとストレス解消に役立ちます。また、デグーは同じおもちゃを与え続けると飽きてしまうので、ケージ内にはなるべく多種多様なおもちゃを設置し、1~2ヶ月を目安として、定期的に交換してあげるとよいでしょう。
エサ入れと給水器
デグーの主食は牧草なので、フィーダー(牧草入れ)を多数設置してあげましょう。 ペレットフード用のエサ入れは、清潔さが保てるものであれば、特にこだわる必要はないでしょう。 給水器は、デグーがかじったり、歯が当たったりしても壊れないように、飲み口が金属性のものを選びましょう。
巣箱
かじることがあるので、木製のものにしておくと安心です。ただし、木製でない巣箱を好むデグーもいます。清潔さが保てるのであれば、飼っているデグーの好みにあったものを選んで問題ありません。しかし、巣の中に排泄をしてしまうデグーの場合、巣の中のアンモニア濃度などが高くなり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。巣の中の巣営材を清掃することはもちろん、必要であれば巣箱ごと定期的に交換するようにしてください。
砂浴び用の容器と砂
体の皮脂や汚れなどを落とすため、砂浴びをさせる必要があります。 容器の大きさは、砂がこぼれない程度の深さでデグーが転がれる大きさのものを選びましょう。中に入れる砂は、小動物やチンチラ用の細かい砂がおすすめです。
床材類
排泄物の掃除をしやすくしたり、デグーの足の裏を保護するため、床材を用意します。マットにはペットシーツやすのこなどがあり、床材にはおがくず、ウッドチップなどがあります。
このほか、温度管理のために、小動物用のヒーターなどを揃えている人もいます。
今回はデグーを迎えるために最低限必要な飼育用品を紹介しましたが、デグーを診てくれる病院を探しておくなど、準備しておくべきことはまだあります。
しっかり準備を整えて、心おきなくデグーを迎えましょう。