【獣医師監修】犬が異物を飲んでしまった! 誤飲の症状と対処法について

犬は、家の中でも散歩中でも、食べてはいけないものを口に入れることがあります。少しくらいなら大丈夫、と思うかもしれませんが、異物の誤飲は犬にとって非常に危険なことなのです。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬が誤飲すると危険なもの

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誤飲で恐ろしいのは、中毒と閉塞です。タバコや人の薬、薬品など中毒症状を起こすものを飲み込んでしまうこともあれば、腸閉塞を起こしてしまうサイズのものを飲み込んでしまうこともあります。また、先端が尖ったものを飲み込むことで、食道、胃、腸などに強い炎症を起こすこともあります。

犬が誤飲してしまった時の症状

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犬が異物を誤飲してしまうと、どのような症状が現れるのでしょうか。ここでは、中毒症状を起こすおそれがないものを飲み込んだという前提で紹介します。

食道でつまってしまった場合

飲み込む途中で食道につまってしまうことは少なくありません。リンゴ、果物の種、ジャーキー、おもちゃなど、つまらせるものは様々です。食道にものがつまると、食道のすぐ隣にある気管(肺と空気をやりとりする通路)を圧迫してしまい、うまく息ができず呼吸困難を起こすこともあります。また、吐きたそうにしたり、咳き込んだり、普段聞き慣れないような「グゥグゥ」という音が喉から聞こえることもあります。

異物が胃に到達してしまった場合

無事に胃までたどり着いたとしても、大きな塊は胃の粘膜を傷つけて胃を荒らしてしまいます。また、胃の出口(腸の入口)は意外と狭いので、今度はそこでつまってしまうこともあります。胃が荒れたり胃の出口(腸の入口)でつまったりすると、嘔吐が引き起こされます。

腸にまで達してしまった場合

食道・胃をうまく通り抜けてこられても、最大の難関である腸が待っています。腸は非常にデリケートな組織なので、ものがつまったまま放置すると、その箇所から壊死を起こしてしまいます。また、腸が捻じれたり、まったく動かなくなったりするかもしれません。こうなると、犬は何も食べられなくなり、頻繁に嘔吐を繰り返すばかりではなく、生死に関わる問題になってきます。

犬が誤飲したら

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犬が何かを誤飲した時は、すぐに病院に連れていくことが基本となります。

誤飲したものに毒性がない場合

とうもろこしの芯、果物の種、おもちゃなどを飲み込んでしまった場合、危険なのは閉塞です。動物病院でレントゲン撮影などを行うことになるケースが多いです。受診の際は、飲み込んだものと同じものを持参するとよいでしょう。

この場合はすぐに動物病院に電話をし、応急処置方法を教えてもらいます。早く異物を出したいと焦って無理やり吐かせたり、叩いたりすると症状が悪化する危険があるので注意しましょう。

有害物質を誤飲した可能性がある場合

毒性のある観葉植物、タバコ、薬品などを誤飲してしまった場合は、あらかじめ動物病院に電話をしてから受診しましょう。病院に到着するまでの間に、胃洗浄や点滴の準備をしてもらえるかもしれません。

人間用の医薬品を誤飲した可能性がある場合

アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)によると、アメリカ国内で起きているペットの事故で最多のものは「人間用の医薬品の誤飲」という調査結果が出ています。この場合も有害物質を誤飲した時と同じように、まずは病院に連絡を入れてから受診することをおすすめします。また、製薬会社に問い合わせることで毒性を確認できる場合もあります。

また、犬が異物を誤飲しようとしている時は、あわてて駆け寄るのは逆効果になることがあります。犬はほかの動物にエサ(だと思っているもの)を取られないように、急いで食べようとしてしまうのです。そこで、誤飲しようとしているものよりも興味のありそうなものを見せて、注意をそらすことが賢明な措置です。間に合わなそうな時には、大きな音を出すなどしてびっくりさせて、一瞬動きが止まった隙に取り上げましょう。

犬に誤飲させないために

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異物を誤飲してしまうと、犬は非常に苦しむことになります。また、飼い主が焦って対処を間違えば、大事故にもつながりかねません。誤飲の一番の予防法は、飼い主が日頃から気をつけることです。まずは、家の中に誤飲しそうなものを放置しないこと、そして散歩中に誤飲しそうなものがある場所には近づけないことが重要です。
また、何か落ちていても素通りできるようにしつけたり、食べることが好きでいつも食べ物を探しているような子の場合には、食事の量は変えずに回数を増やしてあげるとよいかもしれません。

犬の健康を守れるのは、飼い主しかいないことを常に心に留めておきましょう。

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