【獣医師監修】犬が飼い主に飛びついてくる理由と、そのしつけ方法
飼い主が家に帰った時に、犬が勢いよく飛びついてくる…飼い主にとっては至福の時間ですが、この飛びつきをほかの人にしてしまうのは危険なことです。この飛びつきをやめさせるには、しっかりとしつけをしなければなりません。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
犬はどうして飛びついてくるの?
そもそも、犬はどうして人に飛びつこうとするのでしょうか。
抱っこをしてほしい
愛犬を抱っこするのが好きな飼い主は多いでしょう。犬も、抱っこが苦手でなければ、大好きな飼い主に抱っこされると喜びますし、安心することもできます。飼い主が仕事や用事で長い時間家を空けていればいるほど、犬は寂しくなり抱っこしてほしいと思うようになるので、飼い主を見た時に飛びつこうとするのです。
単純に嬉しい
飼い主と一緒に過ごすのは、犬にとって一番嬉しいことです。嬉しさのあまり飛びつくのは、仔犬同士のじゃれ合いでもよく見られる光景ですが、これが成犬になってからでは危険な事態を招きかねません。とくに大型犬の場合は、人間が押し倒されてしまうこともあるのので注意が必要です。
興奮している
犬は、とても感情豊かな動物です。嬉しい時、怒っている時、寂しい時は、その仕草や表情からすぐに察することができます。そして、犬はテリトリー意識が強く、上下関係を大事にする動物でもあります。しかし、興奮するとこの上下関係を忘れてしまい、飼い主に飛びついてしまうことがあります。この時は、犬が落ち着くと飛びつくのをやめるはずです。
そもそも自分の方が上位だと思っている
上述の通り、犬は上下関係に厳しい動物ですが、飼い主に対して自分が上位だと思っている場合に、飛びついていくことがあります。というのも、犬は自分より上位だと思っている存在に対しては怒られると思い、飛びつくことはないからです。
食べ物のニオイにつられている
犬の嗅覚はとても鋭く、飼い主のカラダにちょっとでも食べ物のニオイがついていると、そのニオイにつられて飛びついていきます。飼い主が食べ物を隠していると思い、出してほしくて飛びついてしまうのです。
犬は、基本的に与えれば与えるだけ食べ物を食べてしまう生き物なので、飼い主がエサの量をコントロールしないと肥満になってしまいます。満腹感が鈍く、食いだめの習性もあるため、常に「食べ足りない」と感じている犬がいるのも事実です。食べ物を隠し持っているなら何とかして食べてやろう…そういう気持ちで、犬は飛びついているのです。
構ってほしい
犬は、飼い主に構ってほしい時に何をすればよいか学習しています。そのひとつが、この飛びつくという方法です。これまで飛びついてきた犬をたくさん撫でてあげたり、抱っこしてあげたりしている飼い主には、繰り返し飛びついてくるはずです。
犬が飛びついてくる時のしつけ方法
飼い主に対する甘えの意味での飛びつきは可愛らしいものですが、それ以外の飛びつきはやめさせなければなりません。しかし、この飛びつきをやめさせるためには、「おすわり」ができるようにならなければ、なかなか難しいでしょう。
まずは、日頃から飼い主の「おすわり」の言葉で犬が座るようにしつけることからスタートします。家の中、散歩中、どんな時でも「おすわり」ができるようになることが重要です。「おすわり」をすることで、犬は冷静さを取り戻し、飛びつきたい気持ちを抑えて飼い主の命令に従おうとします。
犬がとくに飛びついてきやすい帰宅時などは、犬をすぐに撫でたり抱っこしたりするのではなく、まず「おすわり」をさせてから可愛がってあげるようにしましょう。
犬のしつけにはいろいろな方法がありますが、基本になるのはこの「おすわり」です。「おすわり」をマスターすると、様々な場面で応用が利くようになります。ほかの人に飛びついて危害を加えてしまわないためにも、「おすわり」をしっかりマスターさせましょう。
また。犬が飛びついてきた時に、「やめなさい!」と大声を出すことは、犬の興奮度を高めてしまい、逆効果になることが多いので要注意です。飛びつきによる転倒などの事故を防ぐためにも、正しい対処法をマスターしましょう。
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