【獣医師監修】仔猫の鳴き声の種類と鳴く理由、鳴かない時の注意点

小さなカラダを目いっぱいに使って鳴く仔猫。じつは、この可愛い仔猫の鳴き声には、飼い主に対する様々なメッセージが隠されています。今回は、仔猫の鳴き声からわかる心理と、鳴かない場合の注意点について解説します。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

仔猫が鳴くのはどんな時?

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猫同士でも鳴き声で意思の疎通を図ることがありますが、それ以外でも仕草や行動で意思の疎通を図ることもできます。ただし、生まれて間もない仔猫はまだ目も開いておらず、猫同士のサインなどはこれから覚えていく段階です。そのため、仔猫たちは鳴いたり喉を鳴らしたりして、親猫とコミュニケーションをとっています。

離乳前の仔猫

大きな声で鳴く

生後1ヶ月くらいまでの仔猫が「ミーミー」と大きな声で鳴いている時は、お腹がすいているか、排泄がしたいかのどちらか。仔猫にとっては、それこそが生きるために必要なことであり、一番母親に訴えなくてはいけないことなのです。大きな声で鳴いているのにミルクを飲まない時は、先に排泄をさせてあげるといいでしょう。

まだ猫用のミルクを飲んでいるような時期の仔猫は、自分で排泄することができません。親猫がいる場合は、仔猫の股間や肛門を舐めることで排泄を促しますが、人間が飼育している場合は、飼い主が親猫に代わって排泄の介助をしてあげる必要があります。

仔猫に排泄をさせる時は、コットンやティッシュで股間や肛門をトントンとやさしく刺激します。仔猫の排泄量は少ないですが、コットンなどに色がつかなくなるまで続けてあげてください。

やや小さめの声で鳴く

お腹がいっぱいで、トイレも済ませているのに鳴いている時は、甘えたい気持ちなのかもしれません。たくさん愛情を注ぎ、人の手に慣らしてあげましょう。

離乳後の仔猫

ニャーニャーと元気に鳴く

生後2ヶ月を過ぎた頃には、好奇心も旺盛になり、盛んにコミュニケーションをとるようになります。そのため、「お腹がすいた」以外にも、「遊ぼう」や「構って」などで鳴き始めます。

もし、ご飯の時間以外に仔猫がニャーニャーと鳴いていたら、たくさん遊んであげたり、コミュニケーションをとったりすることで、仔猫と仲良くなりましょう。

仔猫が鳴かない時は

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普段よく鳴いている仔猫が突然鳴かなくなったら、飼い主としては心配になりますよね。仔猫が鳴かなくなる原因としては、以下のようなものが考えられます。

鳴きすぎて声が出ない

環境が大きく変化したり、飼い主が急にいなくなったりすると、仔猫は不安から大声で鳴き続ける場合があります。時には、鳴きすぎにより喉が炎症を起こし、声が出なくなってしまうことも。

また、炎症による痛みから食欲が落ちたりすることもあります。

猫風邪

風邪をひいて喉に炎症が起こり、声が出なくなってしまうケースです。放っておくと風邪が悪化してしまうこともあるので、速やかに病院に連れて行きましょう。

体調不良

鳴かない以外にも、食欲不振、元気の消失、嘔吐、下痢など何かしらのサインがある場合は、体調不良により鳴く元気がない状況だと考えられます。この場合も早めに動物病院で診察を受けてください。

仔猫の鳴き声への対処法

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仔猫が鳴きやまない場合の対処法は、様々です。夜などに、一人にされた仔猫が鳴いている場合は、親猫や飼い主が近くにいない不安からの行動なので、安心して休める場所を確保してあげましょう。母猫を連想させるようなやわらかい毛布などを添えてあげると、不安の解消に役立ちます。

また、元気があり余って鳴いている場合もあるので、寝る前に仔猫と目いっぱい遊んであげましょう。充分にエネルギーを発散させてあげると、大人しく眠ってくれる可能性が高くなります。

その他、仔猫は病気やケガの痛みや不快感、違和感から鳴き続けることがあります。仔猫の鳴き声がいつもと違うと感じたら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

個体差はありますが、仔猫は生後6ヶ月くらいから発情を迎え始めます。発情期を迎えた猫は異性を求めて鳴き続けることがあるため、繁殖を考えていない場合は不妊手術を検討しましょう。不妊手術をすると発情期がなくなるので、大きな声で鳴き続ける心配はなく、スプレー行為や生殖器の病気などを予防することもできます。

仔猫の鳴き声は飼い主へのメッセージです。仔猫を家族に迎えたら、その鳴き声の種類や意味を理解し、しっかり向き合ってあげてください。

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