【獣医師監修】デグーがかかりやすいおもな病気とその対策
デグーの飼い主の皆さんは、デグーがかかりやすい病気を知っていますか? 病気への対策は万全でしょうか? 今回はデグーのおもな病気とその対策について紹介します。
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監修:ヴァンケット動物病院 松原且季院長
主な病気の種類
デグーがかかりやすいとされる病気は、熱中症や低体温症、糖尿病、不正交合、ビタミンC欠乏症など。これらの病気は、デグーの生態や体質と深い関係があります。
では、それぞれの病気はデグーのどのような体質と関係があるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
熱中症・低体温症
人間と同じように、デグーも熱中症や低体温症にかかります。デグーには汗腺がないため、暑さにも寒さにも弱く、飼育環境は一定の温度に保たなければなりません。
デグーに適した温度の目安は20℃前後といわれています。夏場は28℃以上、冬は10℃以下にならないように注意が必要です。ストレスなどの影響で、28℃以下でも熱中症になるケースもありますので、飼育環境にも気を配ってください。
様子を見ながら、エアコンや小動物ヒーターを利用して温度を調節していきましょう。
次に、熱中症や低体温症になってしまった場合の症状と対処法について紹介します。
デグーの熱中症のおもな症状は「体温が高くなる」「物音などに過敏に反応する」などです。そうした症状が出ている場合、すぐにデグーを涼しい場所へ移し、冷たいタオルで体を冷やすなど、体温を下げる処置をすることが重要です。
一方、「動きが鈍くなる」「ぐったりしている」といった様子がみられた時は、低体温症の可能性があります。すぐに暖かい場所に移し、デグーの体温を上げてあげましょう。
不正咬合
デグーの歯は一生伸び続けます。通常は牧草などを噛むことで歯が磨耗していきますが、ペレットなどのやわらかい食事ばかり食べていると、歯が伸びすぎて噛み合わせが悪くなります。これが不正咬合です。
不正咬合になると頻繁にくしゃみをする、よだれが出るなどの症状が出るほか、食欲の低下や胃腸の疾患にもつながります。
これらの病気を予防するためにも、歯が伸びすぎていないか、こまめにチェックすることが大切です。
糖尿病
デグーはほかの動物よりも糖分を代謝しにくい体質です。そのため、高カロリーの食事や糖分が多い食べ物を与えると、糖尿病を発症しやすくなります。
発症すると、肥満や白内障を併発したり、多飲多尿といった症状が現れます。
カロリーが低いチモシー(牧草)を主食とし、甘いおやつやペレットは与えすぎない、きちんと運動させるなどして予防しましょう。
ビタミンC欠乏症
デグーは体内でビタミンCを生成できないといわれています。ビタミンCが足りなくなると体重があまり増加しない、動きたがらない、衰弱、歯肉からの出血、足を引いて歩くといった症状が現れます。
予防するには、ビタミンCを含むペレットを与える方法が一般的です。与える量は、デグーの体重の5%程度が目安です。
ほかにも、脚力が強く活発であることから、骨折や脱臼も多いとされています。どの病気も、日頃からデグーを観察していれば、すぐに対処できるはず。大切なデグーが一日でも長く健康に過ごせるよう、健康管理に気を配りましょう。