ペットの里親制度ってどんなもの? ペットの里親になるメリットと注意点
友人や知人から、「ペットの里親になった」という話を聞いたことがある人もいるでしょう。ペットを家族に迎える方法の一つとして、ぜひ検討してもらいたい「里親」について解説します。
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里親になることのメリット・デメリット
「ペットを飼う」というと、ペットショップやブリーダーから動物を購入することを想像する人が多いかもしれません。しかし、動物愛護の意識が高まっている昨今、何らかの事情で前の飼い主が飼えなくなったペットを引き取り、ともに暮らす人も増えてきました。
もともとの飼い主が飼い続けられなくなったペットは、保健所や動物愛護センター、民間の動物愛護団体などで保護されます。そうした場所からペットを引き取る人のことを、ペットの「里親」と呼びます。里親になることにはメリットもありますが、その反面、デメリットももちろんあります。里親になるメリットやデメリットのうち、代表的なものをいくつか挙げてみました。
里親になるメリット
1. 行き場のないペットを救うことができる
保護されたペットの中には、新しい飼い主が見つからなければ殺処分になってしまうケースも少なくありません。里親になることで、そうした行き場のないペットの命を救うことができます。
2. 成長後のカラダの大きさや性格を予測しやすい
里親を募集しているペットは、成体や成体に近い状態まで成長していることが多いため、成長した後のカラダの大きさや性格を想像しやすく、飼育環境を整えやすいというメリットがあります。また、基本的なしつけがされている場合も少なくありません。
3. 費用があまりかからない
ペットの里親になる場合、これまでに受けたワクチンや検査の費用分を譲渡の諸経費として支払う場合がほとんどですが、基本的にペット自体の代金はかかりません。そのため、ペットショップやブリーダーから購入するほど費用がかからないというメリットがあります。
里親になるデメリット
1. 持病があったり、ケガをしていたりすることがある
里親を探しているペットの経歴は様々。中には持病があったり、ケガをしていたりするペットもいます。そうしたペットを家族に迎える場合、治療のための費用がかかるほか、飼育するにあたって特別な配慮が必要になるケースもあります。治療や介護に手を尽くしてあげられるかどうか、しっかりと考えてから引き取ることが大切です。
2. 人間に対し不信感を抱いていることがある
里親募集中のペットは、保護される以前に虐待を受けていた場合も少なくありません。そうしたペットの中には、人間に対して不信感を抱いているものもいます。一度抱いてしまった不信感を払拭するのは、並大抵のことではないでしょう。その困難を乗り越えてでも、ペットと絆を深める覚悟を持った上で引き取ることを決めましょう。
3. 一緒に過ごせる時間が短いことが多い
里親を募集しているペットはすでに成体になっている場合も多く、種類によっては、本当にごくわずかな時間しか一緒に過ごせないこともあります。その短い間でも、一緒に楽しい思い出を作ってあげられるかどうか、しっかり考えておく必要があるでしょう。
里親募集の探し方
里親の募集をしている施設や団体は様々ですが、大きくは以下の3種類に分けられます。
1. 保健所や動物愛護(管理)センターといった、行政による施設
保健所とは、地域の公衆衛生活動の中心となる保健衛生行政機関のこと。保健所が担当する業務の一つに「動物愛護」があり、飼い主のいない動物の保護や去勢・避妊手術を行ったりしています。現在は保健所の統廃合などにより、動物愛護センター(地域によって名称は異なります)が保健所の動物愛護関連業務を引き継いで行っている自治体が多くなっています。これらの施設では定期的に譲渡会が開催され、保護動物の譲渡を行っています。
2. 行政施設からペットを引き取り、里親に譲渡している民間団体(おもにNPO)
民間団体の運営する動物保護施設には、大きく分けて2種類あります。一つは「動物シェルター」と呼ばれる、行き場のないペットたちの一時保護施設を有し、そこで保護したペットたちを飼育しているところ。もう一つは、保護したペットを、メンバーが各家庭で手分けして世話をしているところです。どちらのタイプであっても、団体ごとに、定期的に譲渡会を開催しています。
3. 個人
動物愛護センターや民間の動物愛護団体で保護するペットは、犬や猫などが中心です。鳥類や爬虫類、両生類、さらに哺乳類でも存在が珍しいエキゾチックペットと呼ばれる動物たちは、そうしたセンターや団体よりも、今現在その動物を飼っている人から引き取るケースが多いかもしれません。
動物愛護先進国といわれるヨーロッパ諸国やアメリカなどでは、ペットを飼いたいと思ったらペットショップに行くのではなく、まずは保護されたペットの里親になることを検討するというのが一般的な方法になっています。行き場のない命を救うためにも、これからペットを飼いたいと考えている人は、里親になることを検討してみてはいかがでしょう。