ウーパールーパーのエサの種類と与え方

愛嬌たっぷりの姿と表情に心癒される不思議生物、ウーパールーパーはとても食いしん坊。成長するにつれて、与えるエサの種類も変わります。健康のためにも、適切なエサを与えましょう。

  • サムネイル: 羊田ユウジ
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ウーパールーパーってどんな生き物?

80年代にテレビCMなどに登場して大ブームとなって以来、すっかりペットとして定着したウーパールーパー。正式な和名はメキシコサラマンダー、またはメキシコサンショウウオといい、ウーパールーパーはペットとして売り出される時に付けられた流通名です。

メキシコのソチミルコ湖とその周辺に生息するサンショウウオの仲間で、絶滅の可能性がある生物として、ワシントン条約により輸出入が規制されています。そのため、現在ペットショップなどで目にするウーパールーパーは、日本国内で繁殖させた個体がほとんどです。ただし、ウーパールーパーは世界各国での養殖化、飼育下での交配が進んでおり、生息地であるメキシコ以外の国からの輸出入は規制されておらず、現在も行われています。また、日本国内に入った個体については、取引の規制はありません。

ウーパールーパーはカラーバリエーションが豊富で、ピンク色のカラダのウーパールーパーはアルビノの個体を品種改良したものです。ほかにも黒っぽい体色の個体や、全体にマーブル模様が入った個体などもいます。また、体色以外のバリエーションとして、カラダが短い「ショートボディ」などの改良種も存在します。

ウーパールーパーのカラダのサイズは、野生下では45cmを超えることも少なくありませんが、飼育下では20~25cmほどまで成長します。幼生の形態を残したまま成熟する生態を持ち、基本的には、生涯を通じて手足のあるオタマジャクシのような姿をとり続けます。ただし、水温の上昇や水質の酸性化など、一定の条件が加わることで成体に変化し、その場合はエラとヒレのない大きなイモリのような姿になります。なお、ウーパールーパーの寿命には個体差がありますが、最近では15年以上の飼育も珍しくありません。

ウーパールーパーのエサの与え方

ウーパールーパーは、隠れやすい場所で待ち伏せして獲物を捕食する習性があります。また、目はあまり発達していませんが、嗅覚は発達しています。水槽の上から顔の前に落ちるようにエサを落とすと、気がつけば食いつきます。気がつかなくても、水槽の底に沈んだエサを、匂いをたよりに探してパクパクと食べていきます。

ピンセットやスポイト、箸などを使ってエサを鼻先に近づけたり、鼻先に落としたりすると、匂いを感知して食いつきます。慣れてくると、エサをねだって二本足で立つなど、「ご飯ちょうだい」とアピールする姿が見られるかもしれません。中には、飼い主の手から直接エサを食べるようになるウーパールーパーもいるようです。

ウーパールーパーの大きさ、成長度に合わせたエサのススメ

野生下のウーパールーパーは魚や昆虫、カニやエビ、ミミズなどを捕食しています。飼育下の大人のウーパールーパーのエサには、専用の人工飼料のほか、冷凍のピンクマウスやアカムシなどの冷凍餌、メダカや小型の金魚、イトミミズなどの生餌があります。

ウーパールーパーは成長するに従って、エサの種類と量が変わっていきます。

孵化直後~体長5cmまで

卵からふ化して2日間は、お腹に栄養分をためたヨークサックという袋があるためエサは不要です。3日目からは栄養価の高い生餌のブラインシュリンプを与えるほか、最近では幼体用の人工飼料も市販されています。ブラインシュリンプを与える場合は、卵で売られているものを塩水でふ化させます。この時点で体長はまだ1cm程度。体長が2~3cmになると、冷凍イトミミズや冷凍アカムシが食べられるようになります。冷凍ブラインシュリンプもふ化させる必要がないので便利です。体長5cm未満までは冷凍餌を1日に1度与えます。

体長5~10cm

体長5~10cmになると専用の人工飼料を食べるようになります。冷凍餌から突然人工飼料に変えると、エサを食べなくなることがあります。その場合は冷凍餌と人工飼料を併用しながら、徐々に人工飼料に慣れさせます。

ウーパールーパー用の人工飼料としては、2017年11月現在で6種類が市販されていますが、水を吸って膨らまない沈下型のフードで、消化管内環境を整える作用を持つ乳酸菌や酪農菌、または納豆菌などが添加されているものがおすすめです。

また、人工飼料を与える場合に気をつけたいのが、頻度(間隔)です。ウーパールーパーにエサを与える頻度には、エサの消化時間が大きくかかわってきます。それぞれのウーパールーパーの体質よりも、フードのふやける時間に比例して消化時間が長くなるため、1日1回与えるのがよいフードもあれば、3日に1回が適正と思われるフードまであります。

基本的に、フードのパッケージには「1日1回与えましょう」と書かれていますが、水を吸って膨らむフードは消化に時間がかかるため、毎日エサを与えてしまうと、ウーパールーパーの消化が追いつかず、体調を崩してしまうおそれがあります。

そのエサが水を吸って膨らむものかどうかを確認する方法としては、実際に与える前に水でふやかしてみることをおすすめします。そのふやけ具合を確認した上で、ウーパールーパーに与える間隔を判断しましょう。
よく水を吸って膨らむタイプのフードは毎日与えず、ウーパールーパーの排泄を確認しながら、2日に1回、もしくは3日に1回の間隔で与えてください。

なお、ウーパールーパーに最適なエサの量については、それぞれの個体の体重や基礎代謝能力、年齢など様々な要素が関係するため、一概には言えません。目安として、体長や排泄物の量・状態、日常の行動などをしっかりと観察し、微調整をくりかえしながら最適な量を見極めてください。

体長10cm以上

体長10~15cm程度になったら、人工飼料を主食として与えましょう。個体差や与えるエサの種類によっても異なりますが、水を吸って膨らむタイプのフードは2~3日に1回、1回1~2粒の割合で、膨らまないタイプのフードは1日1回、1~3粒の割合で与えてください。エサの消化スピードを知るためにも、排泄を確認することをおすすめします。

また、個体ごとにエサの好き嫌いがあるので、食べる様子を観察しながら好みと適量を把握しましょう。水替えのタイミングなどに、プラケースに移すなどして体重を測定し、記録を残しておくと、エサの適量を判断する材料になります。

冷凍餌や生餌を与える場合は、それだけでは栄養が不十分なので、必ずほかのエサと組み合わせて与えるようにしましょう。また、メダカや金魚などの生餌を与える場合は、水カビ病や白点病の感染防止のために、別の容器で薬浴させてから与えると安心です。

ウーパールーパーは、口に入る大きさの生き物はなんでも食べ、与えれば与えるだけ食べてしまう食いしん坊です。生肉や刺身なども与えれば食べてしまいますが、これらは水槽内の水質の悪化の原因となります。また、大食漢である一方、食べすぎると嘔吐や下痢をすることがあるので注意しましょう。

愛嬌たっぷりな姿で飼い主を癒してくれるウーパールーパー。食べすぎて肥満にならないように、エサの量はしっかり管理しましょう。

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