【獣医師監修】とっても気持ちいい……。 猫をマッサージしてあげよう!
猫にも効果がある!? マッサージは猫の健康維持や老化防止だけでなく、猫と飼い主の絆を深める手段です。猫用マッサージ機も人気。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
人と猫との絆を深めるマッサージ
愛らしい表情や、ふかふかの毛並み、やわらかいカラダ…。見ているだけで癒される猫との触れ合いは、猫好きにとって至福のひととき。猫の健康を維持でき、しかも猫とのスキンシップを楽しめる猫マッサージは、人と猫の絆を深めるうえでも効果的な手段です。猫も人間も、日頃のストレスから解放され、リラックスした時間を過ごすことができるのもいいですね。
また、今回は猫にマッサージをしようという話ですが、猫自身が他の猫や飼い主に対し前足を交互に動かして、まるでマッサージをしているような仕草をすることがあります。これは、仔猫が母猫の乳を出やすくするための行為のなごり。離乳の時期より早く母猫から離れたり、人の手によって哺乳されて育った猫に多くみられ、「ふみふみ」と表現することもありますが、英語ではミルクトレッド(milk tread)やニーディング(kneading)と言います。
飼い主に母猫の役割を求めて「ふみふみ」していると思うと、愛おしさも倍増しますね。
マッサージの方法
口には出しませんが、筋肉が張ったり、血流やリンパの流れが滞り、カラダに不調が出るのは猫も人間と同じです。ここはひとつ猫が喜ぶマッサージをマスターして、愛猫の心を鷲づかみにしてしまいましょう。とはいえ、今まで触られることに慣れていないペットは、突然マッサージをしようとしても当然嫌がります。マッサージは心身をリラックスさせることが大切ですので、無理強いしては何の意味もなく、逆に負担になってしまいます。嫌がるペットに対してはマッサージというより、まずは触られることに慣れるよう、毎日触れ合う時間を作るなど、徐々に行うように心がけましょう。
基本的なマッサージ
マッサージの基本は「さする」「撫でる」「揉む」です。マッサージというと力強く揉むような印象を受けますが、猫へのマッサージはごく弱い力で十分です。具体的には、さする2g前後、撫でる500g前後、揉む500~1000gの力がよいとされています。どれくらいの強さなのかいまいち分からない時はキッチン用の秤を、針を見ながら押してみてください。想像以上に弱い力だと感じられると思います。また、猫のカラダを触ることによって、しこりや痛みなどの異変に気づくことができれば、病気の早期発見にもつながります。
猫専用のマッサージ機も市販されていますが、まずは力の調整をしやすい飼い主さんの手で行うことをおすすめします。
猫がマッサージされて喜ぶ場所
猫は喉をコチョコチョすれば喜ぶことはよく知られていますが、それ以外に「口の横」「耳の後ろ」「おでこ」「肩甲骨」などを撫でられたり、刺激されたりするのも大好きです。顔マッサージをした時に、猫がとろけるような表情を見せてくれた経験をお持ちの飼い主も少なくないはず。
部位別マッサージ
<首のマッサージ>
こんな猫におすすめ!
○よく運動する
○怖がりでビクビクすることが多い
○上を見上げることが多い
猫の首を両手で挟むように持ち、円を描くようにマッサージします。まずは「さする」から始め、嫌がらないようであれば徐々に力を加えていきましょう。コリをほぐし、緊張を和らげる効果があります。
<肩のマッサージ>
こんな猫におすすめ!
○よく運動する
○咳が出やすい
肩甲骨の周囲を、人間の肩揉みと同じようにマッサージします。こちらも「さする」から始め、それに「撫でる」「揉む」も取り入れてみましょう。なお、左右の肩甲骨の間のマッサージは、肺や心臓の疾患に効果があるとされています。咳が出やすい猫にはぜひともお試しください。
<鼻のマッサージ>
こんな猫におすすめ!
○鼻が詰まっている
鼻の両脇をやさしく「さする」マッサージです。少し押すようにしてもいいでしょう。鼻が詰まっている時や、鼻水が出ている時に効果が期待できます。
マッサージの注意点
マッサージをする時に気をつけたいのは、「猫の体調がすぐれない時」「嫌がる時」「マッサージ部位にケガや炎症がある時」は避けること。人間に効果があるからと、アロマオイルを使う人がいますが、猫にとっては精油は非常に危険です。使用しないようにしましょう。
猫も気持ちいい、飼い主さんもうれしい。それが猫マッサージの魅力です。ゴロゴロと喉を鳴らしながら、恍惚とした表情を見せる愛猫。それを間近に見て、明日への活力をもらうあなたが一番幸せなのかもしれませんね。
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