【獣医師監修】犬が夜鳴きをする! 夜鳴きの理由とその対策について

愛犬の夜鳴きがひどいときはどうしたらいいの? 犬の夜鳴きには必ず理由があり、その原因がわかれば対策や対処法も見えてきます。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

「夜鳴き」といわれる夜中の犬の鳴き声は、続くとゆっくり眠ることができないなど飼い主を困らせる悩みのひとつです。うるさく鳴き続けられては近所迷惑になってしまうことも。

犬はどうして夜鳴きをするのでしょうか? その理由と対処法をまとめてみました。

夜鳴きの行動の種類と理由

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仔犬や成犬、老犬にも夜鳴きがあり、その行動の種類から理由がわかれば、対処法も考えられるようになります。それには犬の気持ちや様子を把握してあげる必要があります。

犬が夜鳴きする理由には、以下のような種類があります。

不安や寂しさによる夜鳴き

これまでいた環境とは異なる場所にやってきて、ひとりぼっちにされて不安で寂しい気持ちによる夜鳴きです。犬は体が何かに触れていないと不安になる習性があり、とくに仔犬は母親や兄妹から離されて温もりを感じることなくひとりで置かれることで、不安や寂しさを感じているのです。

試し鳴き

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「クーン、クーン」と寂しそうな夜鳴きが次第に大きくなっていったり、「キャンキャン」と強くうるさい声になっていったりする場合は飼い主を試しているのかもしれません。これは鳴けば来て構ってくれるとわかった仔犬に見られる行動です。そばに行くと鳴きやみ、離れるとまた鳴き出します。構ってもらいたいためにずっと繰り返すことも考えられます。

運動不足による夜鳴き

昼間にエネルギーを発散できていないと、夜になって落ち着かなかったり、運動欲求が満たされていないことを夜鳴きで要求しているようです。

上記3つの原因は端的にいうと「要求吠え」に分類されます。いずれも、「鳴いたら飼い主さんが来てくれた」「鳴いたらケージから出してもらえた」「鳴いたら遊んでもらえた」などの、「鳴くことでよいことがあった」という経験から、そのよいことを要求して吠えているのです。

体の老化や体調不良による夜鳴き

高齢犬は視力や聴力が落ちることがあり、暗くなると不安から鳴くようになることもあります。また、日中の活動性が落ちたり、認知症などの影響から、昼夜逆転になることが夜鳴きの原因になることも。

「もう年だから夜鳴きも仕方ないかな」と思っていたら、実は病気による痛みなどから鳴いていた、ということもあります。迷わず獣医さんに相談しましょう。

夜鳴きの対策

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犬が夜鳴きする理由がわかったら、それに応じた対策、対処法を試してみましょう。

まず大切なことは「要求吠え」に対してはその要求に決して応えないことです。夜鳴きをしてもいいことがないという経験と、鳴かなければいいことがあったという経験を積むことで、要求吠えはおさまります。
それを踏まえてそれぞれみていきましょう。

構ってほしくて鳴く、試し鳴きと思われる愛犬は、何もせずに無視することです。鳴けば来てくれると学んでしまうと、何でも吠えて要求する犬になってしまいます。そばに行ってあげたい気持ちを抑えて、完全に無視することが犬のためにもなります。また、飼い主の気配を感じて鳴き始める犬もいるので、冬の寒い日などはケージやハウスの上から大きなタオルなどをかけて、周りが見えないようにしてあげるのもいいでしょう。日中には、静かにしていたらケージから出してあげる、という経験も是非させてあげましょう。

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運動不足が予想される犬には、日中なるべく一緒に遊ぶ時間を作りましょう。長時間の散歩や激しい運動をしなくても、外に出て刺激を受けたり、飼い主とおすわりなどの簡単なトレーニングをすることや、紙コップにおやつを隠して宝探しゲームをするなどの頭を使う遊びも有効です。

高齢犬の夜鳴きでは、身体の不調によるものなのかどうかを見極めるためにまず獣医さんで診察を受けることが必要です。そのうえで、快適に過ごすために室内の工夫をしたり、日中にマッサージを行うなど触れ合ったりする時間をつくることもおすすめです。

犬と飼い主が楽しく快適な日々を送れるよう願っています。

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