【獣医師監修】赤ちゃんがいる家庭、犬は共存できる? しつけの仕方について
赤ちゃんが生まれたら、愛犬はどうしたらいいのでしょうか? 赤ちゃんと犬の同居においての注意点やしつけについて考えておきましょう。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
赤ちゃんの誕生は家族にとってとてもうれしく、幸せなことでしょう。しかし、飼っている犬がいる場合、一緒に暮らすことに不安を感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
犬にとっては、突然見慣れない「赤ちゃん」という生きものが家族の仲間に加わるため、大きなストレスを抱えるケースもあります。また、咬傷事故や衛生面なども気になります。赤ちゃんと犬が幸せに生活するための見直しや注意点をまとめてみました。
犬と赤ちゃんの関係について
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犬と赤ちゃんが一緒に生活することになった場合、犬は新しく家に来た赤ちゃんをどうみているのでしょうか。子犬のころから赤ちゃんや小さな子どもにも積極的に慣らし、犬が「突然泣いたり予測不能な動きをするが自分に害はない」と認識していればまず問題はありません。しかし、赤ちゃんと初めて接するケースでは、大人とは違う声や動きに不安や恐怖を感じストレスとなることも少なくありません。
一方で、飼い主が赤ちゃんを大切に扱うことで、「飼い主にとって大切な存在だから傷つけてはいけない」と守るようになったり、保護したり、良い遊び相手として仲良くなったりすることもしばしばです。
犬と人の赤ちゃんが幸せに生活できるかどうかは、飼い主にかかっています。噛んでいいのは決められたおもちゃだけであるというような基本的なルールをしっかりと教えておくことも大切です。
環境での注意
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犬と赤ちゃんの同居で心配になるのは、どちらかがどちらかの健康を損ねる原因にならないかどうかではないでしょうか。双方が健康に過ごせるように、生活環境を整えましょう。
ベビーベッドを準備
人が見ていないときには、犬が赤ちゃんに飛び乗ったり、なめてしまったりしないよう、犬が届く位置に赤ちゃんを寝かせないことです。赤ちゃんにはベビーベッドを用意して、安全面はもちろん、衛生面でも安心のスペースを確保してあげましょう。
空気清浄機を設置する
犬種によっては抜け毛が多く、赤ちゃんの健康面で気になることもあるかと思います。定期的な掃除機かけや粘着テープを使用した除去に加え、性能のいい空気清浄機を稼動させておくこともお勧めです。
犬用ゲートを設ける
ベビーベッドを設けなくても、犬用ゲートにより犬が入れない部屋を作ることで赤ちゃんの就寝を守ることもできます。また、離乳食などが始まった際は、赤ちゃんが食事中にゲートで侵入できないようにすることで、赤ちゃんの食べこぼしを犬が食べてしまう誤食も防ぐことができます。
食事での注意
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犬用ゲートを設ける、でも触れたように、赤ちゃんの食事の際は犬を近づけないほうが犬のためにもなります。また、逆に犬の食事中にも赤ちゃんは近づけないようにします。食事の邪魔をされたり、食事を取られると勘違いした場合、攻撃的になることもあります。ストレスなくゆっくりと食べられるスペースを確保してあげましょう。
その他の注意
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赤ちゃんがいる家庭での犬との共存には、ほかにも注意すべき点があります。もっとも注意したいのは赤ちゃんの事故です。乳児が飼い犬に噛まれて怪我をしたという事故は実際に起きています。犬は本来、噛むことが大好きな生きものです。また、恐怖を感じれば身を守るために逃げるか攻撃をするかの二択になるのは動物であれば当然のことです。噛んでいいと許可されたもの以外に興味を持たせないよう日頃から飼い主が気をつけ、また、赤ちゃんが犬を乱暴に扱うことがないように注意してください。
飼い主は赤ちゃんと犬から目を離さず、双方を守ってあげてください。
赤ちゃんとの生活が始まる前から、犬にしっかりとルールを教え、赤ちゃんにたいしても環境や衛生面で気を配っていれば一緒に生活していくことに問題はありません。両者を大切な家族として守り育てていきましょう。