【獣医師監修】スフィンクスと長く暮らすために気をつけたい病気やご飯選び
スフィンクスと長く暮らすためには、どんな病気に気をつければよいのでしょうか。お手入れや病気のこと、ご飯選びについて紹介します。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
スフィンクスのかかりやすい病気
スフィンクスは、ほかの猫種と違い被毛がないため、皮膚がとてもデリケートです。出生直後から数週間のあいだに、呼吸器を中心に感染症を起こすことがあるため、スフィンクスのブリーダーは生まれてから少なくとも2~3ヶ月程度は、病気に感染しないように家庭内で厳重に管理しています。 免疫力が極めて弱い時期なので、家庭に迎えた直後も清潔な環境を作り、皮膚の手入れもきちんと行いましょう。
成猫になってからも、できるだけやわらかく清潔な布で皮膚の表面をふき取り、メンテナンスをするようにしましょう。とくにノミ・ダニの寄生は下痢や貧血、皮膚病につながることがあるので注意が必要です。また、被毛のないスフィンクスは紫外線の影響で皮膚がんを起こす可能性があるので、保温も兼ねて衣類を着せてあげるのもよいでしょう。
スフィンクスは、遺伝的に心臓病を発症しやすい猫種でもあります。多いとされているのは肥大型心筋症と僧帽弁形成異常(そうぼうべんけいせいいじょう)です。肥大型心筋症、僧帽弁形成異常ともに、スフィンクスでは3歳くらいに発症、または発見されることが多いようです。
心臓病を発症すると、猫は全体的に元気がなくなり、ぐったりと寝ていることが多くなります。治療は不可能ですが、投薬でカラダが楽になることがあるので、異変に気づいた時には早めに動物病院を受診するようにしましょう。
スフィンクスのご飯の選び方
猫の食事には栄養のバランスが取れたキャットフードが基本です。ドライやウエットなど様々な種類がありますが、「総合栄養食」と書かれたものを主食として選びましょう。近年は猫種別の専用フードや、年齢に対応したフードも多数販売されています。仔猫のうち(満1歳まで)は高カロリーのフードを、成長期を過ぎた後は低カロリーでバランスの取れたフード、7~8歳を過ぎたら消化の良いシニア用のフードに切り替え、スレンダーなカラダを保てるようにしましょう。
猫は、昼夜を問わずに少量ずつ食べる習性があります。1日分を2~3回に分けてあげるか、ドライフードをいつでも食べることができるように置いてあげてもよいでしょう。
ただし、置いておく場合も常に清潔で新鮮な状態にし、衛生を保つことが重要です。水分の多いウエットフードは、そのまま放置しておくと傷んでしまい下痢などの原因になります。食べ残しはそのままにせず、すぐに片づけてください。
スフィンクスと長く一緒に暮らすために
スフィンクスは、7~8歳を越えた頃になると高齢期に入ります。目や耳、歯、筋肉などが弱くなり、寝る時間が長くなっていきます。高齢の猫では腎臓系、歯周病、心臓系など、様々な病気にかかりやすくなるといわれています。腎臓系の病気は水分を多くとることが予防につながるので、新鮮な水をたっぷり用意すること、またウエットフードやドライフードをふやかしたものをあげることもおすすめです。
スフィンクスは被毛がないため、とても寒がりです。保温が足りないと、パソコンや電気製品の上などに居場所を確保しようとするので注意してください。 室温調節を十分に行い、可能であれば衣類を着せてあげましょう。
スフィンクスがずっと健康でいられるよう、かかりつけの動物病院を決めて、定期検診を受けるようにし、気になることがあった場合はすぐに相談できる体制を整えましょう。
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