【動物保護と譲渡活動動物】その最前線に立つミグノン友森玲子さんに活動の現状を聞く
飼育放棄された動物を保護し、新しい家族の元に送り届ける。そこで大きな役割を担うのが保護団体である。10年前に団体を立ち上げ、保護活動を続ける友森玲子さんに保護の現状や自身の体験を聞いた。(Shi-Ba 2018年1月号 Vol.98より)
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保護犬の譲渡会は意外にも家族連れが多く訪れていた
動物保護団体、ランコントレ・ミグノンの譲渡会は月に2回行われている。とある土曜日の譲渡会を見学させてもらった。
都内の小さなビルに入っているミグノンは、1階がトリミングサロンとショップ、2階が動物病院、そして3階に保護動物の「シェルター」があり、そこで譲渡会が行われていた。
ボランティア・スタッフが3~4人常駐し、訪れる人たちを迎え、適宜犬や猫の説明をしている。
決して広くはないフロアにケージが2段に積まれ、犬や猫が整然と並んでいる。様々な理由で保護されてきた動物たちである。人が苦手な子や病気を持った子もいる。それぞれのケージには動物の性格や特徴をわかりやすく記している。老いた日本犬系の老犬はケージには入れられず、タオルを敷いた床の上に寝そべっている。
会場には見学希望者が切れ目なく訪ねてくる。驚いたのは、小さな子供を連れた家族連れが多かったことだ。昨今のペット事情に詳しい人や、動物飼育の熟練者が多いと想像していたのだが、まったくそんなことはなかった。ミグノン代表の友森さんもその変化には気づいていた。
Photos:Shinya yamauchi
友森玲子さん(以下友森、敬称略)「最近そうなんです。10年前は動物愛護の玄人みたいな人しか譲渡会には来なかったのですが、最近は動物を飼ったことのない若い親子連れが、まるでペットショップ感覚でルンルンでやってきます。ボランティアさんの中にはそんな様子を見て、来場者の質が下がっているとぼやく方もいますが、私はそうは思わないんです。逆にとてもいいことだと思います。動物のことをあまりよく知らない人たちが来てくれるようになったということは、それだけ譲渡会が認知されたというように思っています」
――犬をよく知っている人だけが来る場所なのか、あまりよく知らない人たちまでが集まる場所なのか、この差はとても大きいですね。底辺の広がりが圧倒的に違う。不幸な犬を減らすためには欠かせない大きな層を獲得したことになりますね。
友森「たくさんの方に来ていただくのは嬉しいですし、誰でもウエルカムです。ボランティアさんは心配しているけれども、いざ譲渡の段階での審査はかなり厳しくしているので、それで問題が生じるということはありません」
寂しそうに見上げる日本犬系の保護犬。
――家族で保護犬譲渡の会場に来たということは、小さなお子さんにとっては必ず後々まで記憶に残る体験だと思うんです。保護活動という意識の種を蒔いているような感じですね。ですから、譲渡会は単に新しい飼い主を探すという役割以上の効果を上げていると感じました。
友森「10年前だと、愛護団体を訪ねるということ自体がハードルの高いことでしたよね。勇気のいることだったと思います」
老犬はケージには入らず、穏やかに佇み、眠っていた。
そのハードルを下げる一役を担ったのがミグノンの活動であったと思う。どのようなきっかけでミグノンが誕生したのか。そして保護活動の現状はどのようなものなのかを友森さんにお話しいただいた。
動物で生業を立てている私たちがやらなければ
――保護犬の譲渡活動をはじめられたきっかけは。
友森「ものすごい熱意を持ってはじめたわけではないんです。もともと犬の美容室を経営していたのですが、その開業時の借金が4年くらいで返済できたんです、必死に働いて。借金がなくなったら嬉しくなって、何か好きなことをはじめようと思い、犬を飼おうかと思いました。でもこの仕事をしているうちに、子犬から飼う必要はないと感じていたので、保護犬でもいいと考えました」
――保護犬に関しては、それまでに見聞きしていたのですか。
友森「学校では保護犬譲渡の団体のことや動物の処分のことは、あまり詳しくは教えてくれないのです。そういう活動をしている人たちや保護犬がいるということは知っていましたが、自分に関係のあることとしては考えてきませんでした」
譲渡希望者にボランティア・スタッフは犬の性格などの説明をする。
――そこで改めて動物保護の現状を目の当たりにしたわけですね。
友森「新しい家族を待っている動物がこんなにいるのかと驚きました。それと、活動について知ると、動物を専門に扱っていない人や、それこそ専業主婦のような人たちが、身をすり減らしながら活動しているのです。それは衝撃的でした。動物で生業を立てている私たちがやらなかったら恥ずかしいなと。ただ、本業のほうも忙しいし、なかなか自由も利かないので、できる範囲ではじめたのです。ペットホテルも併設しているし、夜は実家に連れて帰ってもいいので、2~3匹なら保護できるのかなと。ですので、最初は東京で一番小さい保護団体としてスタートしました。預かりボランティアをはじめたのが2005年で、ミグノンのスタートが2007年です」
――そこから少しずつ規模が大きくなっていったのですね。
友森「お店で保護犬を預かっていると、常連のお客さんなども目にするわけです。ところが保護している犬が、お店に来るたびに変わっている。そのことに驚いていたようです。そんなに犬というのは捨てられているのか、と。そんな現状を見たお客さんの一人が、募金を募ったらどうかと言ってくれたので、募金箱を置くようになったのです」
ケージの前には犬の紹介文が掲げられている。
――皆さん快く募金してくれている。
友森「当初、費用に関してはひとつのラインを引いていたのです。借金がなくなってはじめたことなので、それまでに月々返済していた額の範囲内で保護活動を行うというルールです。でも思ったよりも募金してくれる人が多くなってきて「もう1匹保護できるじゃないか」と増え、それで今では200匹です(笑)。無計画なんです。だから今の姿は、自分が思っていた形とは違うのです。大きな団体を作ろうなんて考えていませんでしたから。キャパシティはオーバーしています。保護犬の数も理想よりは多いです。これは私の性格の問題なんです。もう少し行けるなと思うと、つい気になる犬を引き出してきてしまうのです」
譲渡の条件と流れ
保護犬の里親になりたい、と思う人は増えている。だが、誰でも里親になれるわけではない。諸々の条件をクリアする必要がある。何故なら再びその犬を不幸にさせないためだからだ。
保護犬を引き取りたい里親としての条件確認
・動物を飼える収入があること
・ペット飼育可の住宅であること
・一人暮らしの場合は、保証人もしくは後見人が必要
・飼養が困難になった時、引き継いで飼養できる人がいること
・終生室内飼いができること
・先住動物は避妊・去勢していること
(上記は主なもの。この他にも詳細な条件あり)
以下の場合は応募できない
・出産を控えている家庭
・未成年、学生、高齢者(60歳以上)だけの家庭
・住まいがミグノンから30km以上離れている家庭
・転居の予定がある家庭
譲渡の際に必要なもの 約束すべきこと
・自宅の環境チェック(引き渡しは自宅のみ)
・契約書への署名・捺印
・動物と一緒の写真撮影
・医療費の一部負担
・終生飼養と室内飼い、毎年のワクチン接種と狂犬病予防注射、フィラリア予防薬の投与を約束し、必ず畜犬登録を行う
・18歳未満のみの散歩は禁止
問い合わせから譲渡に至るまでの流れ
・問い合わせフォームからミグノンへメールを送る
・ミグノンより、譲渡会の案内あるいは別の形でのお見合いの案内が返信される
・スタッフと相談の後、トライアルへ(1~2週間)
・問題がなければ正式譲渡の契約
なお、トライアルに際しては、身分証明書、ペット飼養に関する賃貸契約書あるいは自治会規約書、リード2本、迷子札、室内用ケージかサークル、指定フードなど、準備すべきものがある。
(その他詳細はホームページ参照)
SNSの力を強く感じた東日本大震災の救助活動
――東日本大震災が一つのエポックとなっていると思いました。福島はやはり大きな出来事だったのですか。
友森「あの時は団体がどのような活動をしていくかということとは、大きく逸脱した行動をとりました。あれだけの被害が出ていながら、放射能の関係でそこには戻れないということになれば、残された動物たちが餓死をしていくのは目に見えていました。これは人災ですよね。今の日本で、いくら動物とはいえ餓死をさせてはいけないと思ったんです。それを救いたかったのですが、情報は入ってきません。ですから行ってみるしかありませんでした」
人の姿がない被災地で、さまよっている犬を捕獲する友森さん。想像以上に体力の必要な作業である。
Photos:Shinya yamauchi
――本業の傍ら、福島に通っていたわけですよね。
友森「当時の私のお店は小さな路面店でした。木曜の定休日に福島に行っていたのですけれど、水曜日の午後8時には店を閉めて、一度家に帰りご飯を食べて、1時間だけ横になってから午前0時に出発して、午前4時半頃に南相馬に着いていました。このようなスケジュールだったので、現地で使用するフードを調達する時間がなかったのです。そこでツイッターに『フードを提供していただける方がおられましたら、午後11時までに店の前に置いておいてください』と書き込んだのです。そして出発前に店に行って驚きました。店の前の壁一面に、まるでテトリスみたいにフードが積んであったのです。考えていたよりもはるかに多くの量のフードでした。きっと積むのが上手い人が集まったフードを積み直したんでしょうね(笑)。私の店の狭い敷地の中に、人の背丈くらいまできれいに積まれていました」
余震や津波の心配の他、道路が崩壊している場所も多かった。
Photos:Shinya yamauchi
――SNSの力の大きさを実感されたわけですね。みなさんが友森さんに、現地にはいけない自分の気持ちや想いをフードを持ち寄るということで託していたのですね。
友森「実は私もかなり怯えながら行っていたのです。でも、フードのことをはじめ、見えない数の人たちが応援してくれていると思ったら、少々のことなら平気だという気持ちもありました」
立入禁止の場所には許可証が必要。
Photos:Shinya yamauchi
――そして福島に通われて、そこで保護動物の数が一気に増えていったのですね。
友森「団体の規模が瞬く間に大きくなってしまって、これをどのように維持するかが大きな問題となりました。保護動物の数が最終的には150匹にまで膨らんでしまったので、今までの方法では回せなくなってしまいました。でもこの時もSNSの力が大いに役に立ちました。例えば、出発前に『中型犬以上の預かりボランティアが可能な方は応募ください』と書き込み、行きの車の中でチェックするともうすでに多くの申し込みが入っている。その中から条件が揃っている方に返信します。そのような流れで、翌日帰ってくるまでには、保護した動物の預かり先はあらかた決まっているということが多かったです」
Photos:Shinya yamauchi
保護された犬たち。その数は150匹を越えた。
Photos:Shinya yamauchi
もし死んだら預り動物をどうするのかを書き残す
――放たれた犬を捕獲するということ自体も、かなり大変なことですよね。
友森「すごく体力が必要です。ずっと走り回りますから。それとやはり被曝のリスクがありましたから、女性は連れていけない。体の丈夫なドッグトレーナーと運転手の男性と3人で行っていました。当然男性の方が体力がありますから、足手まといにならないように全力で走って、時には塀をよじ登ったりもしていました。筋力もつきましたよ」
――大きな余震も続いていましたよね。
友森「やはり津波は怖かったです。ちょっと余震が来るとすぐに車に飛び乗って、山の方に避難しました。津波に襲われた場所も何度も行きました。原発周辺の町にも4月1日から自衛隊が入って、遺体の捜索が始まりました。遺体が見つかった場所には白い旗が立てられるのですが、自衛隊が入る前に私たちが犬を追いかけて走っていた場所も多かったです。その時は改めて震災の恐ろしさを感じました」
――この震災後の半年間で友森さんの人生が大きく動いたと言ってもいいみたいですね。
友森「ガラッと変わりましたね。それまでの保護活動のスタンスは、人生を投げ打ってしまったら活動は続けられないから、無理のない範囲で保護をして、自分が死ぬまでに何十匹かでも助けられればいいかな、というものだったのです。でも震災の被害状況を見たら、自分の命はどうなってもいい、いかに効率よく被災地の犬を保護するかだ、と腹をくくってしまいました。実際、原発のことや大きな余震など、その後も何が起こるのかわからない状況でしたから」
ミグノンの1階レジ脇に置かれている募金箱。訪れるお客さんの多くが募金する姿を見た。その額も小さいものではなかった。
――相当な覚悟がなければ行けません。
友森「はじめの頃は高速道路は一般車両の通行は禁止でしたから、救援車両の申請をしに行ったのです。そこで、経験はあるのですか、と聞かれたので、ありません、と答えました。それまでは救援活動の経験のある団体にしか許可をしていなかったらしく、担当者は困っていました。そこで私は、危険を感じたらすぐに戻ります、など言葉を並べてお願いすると、ようやく許可が出ました。でも担当の方は最後に、本当に危ないと思いますよ、と真顔で言うんです。ああ、そういう場所へ行くんだなと実感しましたし、事故で死ぬかもしれないという覚悟もありました。ですから、自分がもし死んだら預かっている犬猫をどうするのかを事細かに書き記しておきました」
――10年ほど前に比べて、保護犬を迎え入れようという意識は高まっていると思われます。また、動物愛護センターでも殺処分ゼロの自治体が増え始めているなど、世の中が変わりつつあると感じられるのですが、最前線におられる友森さんの立場から見てもそのような実感はありますか。
友森「そうですね、以前とは全然違ってきていますね。10年前、保護活動をはじめた頃は、愛護センターから連れてきた犬を動物病院に連れて行ったり、公園に遊びに連れて行ったりした時に、愛護センターから連れてきた犬ですと言うと、愛護センターって何って聞かれるんです。それで保健所とも言いますと答えると、嫌がられることが多かったのです。でも今では保護活動をしているというと、偉いですね、素晴らしいですねと言われます」
――一時期はある犬種がブームになると安易に家族に迎え入れ、ちょっと手に負えなくなると手放すという悪循環も見られました。
友森「許しがたいことですよね。でもここ数年は、飼い主が老いてしまって飼えなくなったといって手放すというパターンが6割くらいを占めています。別れたくないんだけれど、入院しなければならない、あるいは亡くなってしまったからということが多いですね。無計画な飼育の末に手放すというのは少なくなってきています」
――何かの基準のようなものがあって、受け入れる動物を選んでいるのですか。
友森「うちの団体の一番の目的は、行政による動物の処分を減らすことにあります。ですから、処分対象の犬や猫を優先して引き出すようにしています。老犬や病気の子は処分の対象になりやすいので、うちで引き受けますと言って連れて帰ります。それと、愛護センターであぶれてしまいがちなのが柴犬をはじめとした中型犬、大型犬です。マンションでは飼えない犬種は残りやすいのです。だからと言ってそれらの犬ばかりを受け入れても、当然譲渡希望者がマンションに住んでいれば、現実問題としては飼えないので、小型犬も用意しておかなければなりません。そのあたりのバランスはいつも考えています。でも、中型犬、大型犬も放ってはおけないんですよね」
ミグノン代表、友森玲子さん。団体を立ち上げてからちょうど10年。「保護のおばさん」にならないよう、休日は意識して動物から離れるという。それでもキャパシティギリギリの活動が続き、今日も保護の最前線で走り回っている。
――今後も現在のスタイルで活動を続けていかれるのですか。
友森「この活動を始めた時、最初に大きなことを言って途中でやめてしまうのはかっこ悪いから、最低10年は続けようと決めたのです。そして今年でちょうど10年。10年も経つと世の中も変わりますから、私のこのスタイルが世の中に合っているかどうか見直す必要はあると思っています。もし若い世代に託せるのであれば、私は後方支援に回ろうかとも考えているのですが、まだそのような人には出会えていません。将来的には活動を縮小するかもしれません。それは時代の流れに合わせていけばいいと思っています。でも今のところはまだこのまま突っ走っていくしかないんですけれども」
もし、犬と暮らしてみたいけれども、幼犬から飼わなくてもいいとお考えの方がいるのであれば、一度譲渡会を覗いてみてほしい。運命の出会いがあるかもしれませんよ。
ボランティアと支援
ミグノンの保護、譲渡活動は多くのボランティア・スタッフによって支えられている。また直接ボランティアに参加できなくても、様々な形で活動を支援することも可能だ。
通いで行うボランティアと一時預かりボランティア
自宅からミグノンのシェルターに通って、犬や猫の世話をするボランティア。満20歳以上65歳未満の方で、日本語でコミュニケーションが取れることが条件。参加の頻度は原則自由である。
北参道のミグノンのシェルターの活動時間は9時~12時、19時~21時で、散歩と掃除、給餌などを行う。別にある猫シェルターの活動はこれよりも少し変動的である。
自分の家庭で一時的に保護犬を飼育するのが一時預かりボランティア。適切な飼育環境下で安全に飼育できることが条件とされる。
月に2回開催される譲渡会のうち、1回は必ず参加しなければならないため、譲渡会に通える範囲(概ねミグノンから30km)に住んでいる必要がある。
両ボランティアとも、常時ホームページ上のフォームで応募できる。
寄付やイベント収益は団体の貴重な活動費用
動物を保護して譲渡する。言葉にすれば簡単だが、その中には様々な仕事や作業が含まれている。保護した動物の餌代や保護スペースの賃料、必要なワクチンや治療などの医療費、衛生管理のための費用など、犬1匹が譲渡されるまでにも多くの費用が必要となる。
その費用は寄付やイベントでの収益に頼らざるを得ないのだが、営利目的ではない活動のために運営は厳しい。少しでも保護活動に賛同する気持ちが湧いてきたのであれば、支援という形で参加するのも意義のあることだと思う。
金銭以外にも現在不足している物資の提供も随時募集している。
ホームページの「ミグノンシェルター ウィッシュリスト」を開くと、不足物資のリストが表示される。そのリストに掲載されている以外の物資は、その時には必要としていないので受け付けていない。
銀行振込による寄付
下記口座に直接振込できる。金額はそれぞれ無理のない範囲で。
みずほ銀行 方南町支店
(普)1142264
一般社団法人 Rancontrer Mignon
◆譲渡の条件や各種ボランティア、支援などについての詳細はホームページを参照のこと。その上で活動に共感できるのであれば、自分にできることを考えてみてはいかが。ボランティアは負担にならない範囲で行っても構わないはず。
一般社団法人 ランコントレ・ミグノン
Photos:Shinya yamauchi
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-3-5
東京メトロ副都心線、北参道駅徒歩1分
http://rencontrer-mignon.org/
ミグノンでの譲渡会は、毎月第2日曜日と第4土曜日に行われている。
また、ボランティアで運営されているため、電話での問い合わせは受け付けていません。
ホームページの問い合わせフォームを利用してください。
Text:Takahiro Kadono
Photos:Takahiro Kadono