アンクの4匹～古着屋さんの猫社員～
国際通りから牧志公設市場へ向かう約500メートルの浮島通り。戦後からの古い商店と、個性的なセンスの新しいお店が入り交じった一風変わった通りで、観光の散策も何度目かになると、こういう道を散歩するのが楽しくなります。
可愛くって服選びの集中力が切れる……
なかでも気になるのは独特のオーラを発しているアメリカンヴィンテージの古着や小物を扱うお店・ANKH(アンク)。ショーウインドーを覗くと猫達が招いているような気がしました。
家具屋だったという60年代の建物の中に入ると、淡い水色に彩られた壁と高い天井、カラフルな一点モノの商品と4匹の猫……古き良きアメリカ映画の様な異空間。現地で買い付けてくるという50～70年代のヴィンテージの服の合間を元気よく遊びまわる三毛猫はお客さんに愛嬌を振りまき、奥のレジスターの台の上では白ソックスがチャームポイントのボク（5歳♂）が懐っこく接客しています。
お客さんが帰った後はオーナーの膝の上で甘えるのが最高！
オーナーの田阪佐登子さん（48歳）は大阪出身。心斎橋に構えていた店から、この地に移転、沖縄に移住してから、野良猫の多さに驚いたと言います。
店の隅で置物化している昼寝中のトラ
サビ猫のトラ（9歳♀）は、大きなおなかで入口から入ってきて、お店の裏で三毛猫のテン（8歳♀）とキジ白のジン（8歳♂）を出産。そしてそのままみんな、猫社員として店で働くことになったそうです。また、外猫が入ってきてはソファでしばし熟睡することも。
アメリカンな空間に和猫のテン。ハンガー掛けがキャットウォーク
ショーウインドーエリアで招き猫担当のジン
「野良をやってるのも大変なんだから、ゆっくり休んでね」と優しい時間が流れるお店でした。
ANKH
沖縄県那覇市松尾2-11-22
TEL 098-863-0028
営業時間：13：00～20：00
定休日：年中無休（年末年始休）
Facebook：@ankhvintage
ちるりの「おにぎり」～空から降ってきた猫～
国際通りに隣接する、沖縄の台所「牧志公設市場」。そのほど近く、レトロな雰囲気の「うりずん横丁」に美味しい冷麺のお店「chillri(ちるり)」があります。
こんなに美味しい冷麺食べたことない、と大評判の逸品。必食です
近隣のお店からも愛されて止まない、看板猫・おにぎり（3歳♂）は、なんと！ 空から降ってきた奇跡の猫なのでした。
まるで海苔で巻かれた「おにぎり」みたい！
オーナーの佐藤健司さん（44歳）が岩手県盛岡市から移住してお店を開店して間もなく、一昨年の春分の日の出来事……。オーナーの奥様がすぐ先の平和通りを歩いていると、アーケードに空いた穴から猫が落ちてきて、下に停めてあった車にバウンド。
古民家を改装した店内。天井の梁からおにぎりが落ちてきそう！
おにぎりコロコロ……と呑気な状態ではありません。怪我の状態は悪く、病院と看護の日々でした。おにぎりは奇跡的に元気に回復したということです。
命の恩人・オーナーの佐藤さんに抱かれて
お客さんと遊びモード。甘噛みとケリケリでファンサービス
お店に伺った時、お隣のBARのボードに「おにぎり・おやすみ中zzz」の張り紙。聞けば、おにぎりがいなくなったとオーナーが心配しないように、昼寝に来た時は、BARのお姉さんが伝言の張り紙を出してくれるのだそう。
起きてきたおにぎりはそのままお隣のカバン屋さんに行ってゴロンゴロンとお姉さんにご挨拶。そしてまた路地裏のお店にも。待ち焦がれていた私をよそに、やっとお店に登場したおにぎりは、また女性のお客さん達に囲まれて、モテモテなのでした。
猫の視線を感じながら飲むビールが美味い♪
盛岡冷麺＆串焼き chillri
沖縄県那覇市牧志3-3-14
TEL 098-943-2611
営業時間：ランチ12：00～15：00（LO14：30）、ディナー18：00～24：00（LO23：00）
定休日：不定休
Twitter：@chillri_okinawa
（写真・文 芳澤ルミ子）
