【獣医師監修】犬にほうれん草を与えても大丈夫? ほうれん草のメリットと注意点について
ほうれん草というと、有名な海外マンガでも栄養の塊として描かれるほど豊富な栄養素を含んでいる野菜です。そのほうれん草、犬にとってはどのような野菜なのでしょうか。今回は、犬とほうれん草について解説していきます。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
犬はほうれん草を食べても大丈夫
ほうれん草は、犬にとっても栄養がたっぷり含まれた野菜です。ビタミンや鉄分を豊富に含んでいることから、犬の健康にとってもプラスになることが多いです。
しかし、ほうれん草を与える時に注意したいのがシュウ酸の存在です。環境省が発表している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」の中でも、「与えすぎないほうがよいもの」の中にほうれん草が入っています。
とはいえ、このシュウ酸に関しては、ほうれん草を茹でた後、たっぷりの水に浸しておけばほとんど心配ありません。つまり与え方さえ間違えなければ、犬にほうれん草を与えても大丈夫です。
ほうれん草に含まれる栄養素
では、ほうれん草にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。以下が、おもな栄養素です。
●ビタミンC
●ビタミンE
●ビタミンB1・B2
●ベータカロチン
●鉄分
●マグネシウム
ビタミンCは抵抗力を強化し、風邪や感染症の予防に効果があるとされていて、とくに冬に効果を発揮します(ほうれん草の栄養価が一番高くなるのが冬です)。また、ビタミンEは活性酸素を除去することで、血液を浄化し毛細血管まで血流を促す効果があり、鉄分やマグネシウムには骨の強化や、性格を穏便にする働きもあるといわれています。
この中で、ビタミンCは加熱するとほとんど壊れてしまいますが。犬は体内でビタミンCを生成できるので、食事からの摂取を必要としていません。病気の犬や高齢犬のような、自分で生成する以上のビタミンCが必要な場合は、ほうれん草以外の食材からビタミンCを摂取するようにしましょう。
犬にほうれん草を与える時の注意点
上述の通り、ほうれん草にはシュウ酸が含まれています。このシュウ酸、尿路結石症の原因になる可能性があるので、生のほうれん草を犬に与えるのは避けましょう。ちなみに、尿路結石症とは尿道に結晶化した石が詰まってしまう病気で、おしっこが出づらくなったり、おしっこの際に激痛が走ったりするなど、犬にとって非常につらい病気です。ミニチュアシュナウザー、ミニチュアプードル、ヨークシャテリアなどの犬種がこの病気になりやすいといわれているので、飼い主は気をつけましょう。
このシュウ酸は茹でると激減しますが、念のため以下のような方法でほうれん草を与えるとよいでしょう。
カルシウムと一緒に摂取
シュウ酸は、腸内でカルシウムと結びつくと便と一緒に排出されることから、カルシウムを多く含んでいる食品とほうれん草を一緒に与えるようにしましょう。
食後は水をたっぷり飲ませる
ほうれん草を与えた後に、たくさんの水分をとらせると結石ができづらくなります。
細かく刻む
ほうれん草を茹でてそのまま与えると消化に良くないので、細かく刻んでから与えましょう。
茹でて刻んでから犬に与えると良いとされているほうれん草ですが、与えすぎるとおしっこが近くなったり、お漏らしをしてしまったりという症状が出ることがあります。また、食物繊維の過剰摂取により便が緩くなったり、下痢や嘔吐を引き起こしたりすることもあります。
このように、ほうれん草は与え方を間違わなければ、犬に与えても問題のない食材です。冬場の体力が落ちる時期に、栄養補給のひとつの方法としてほうれん草を試してみてはいかがでしょうか。
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