【獣医師監修】犬にはちみつを与えてもいい? はちみつの注意点について
「犬にはちみつを与えてはいけない」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。では、本当に犬にはちみつを与えてはいけないのでしょうか。今回は、犬とはちみつについて解説していきます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬にとってはちみつ自体は危険ではない
人間にとってはちみつは健康・美容に良い食べ物とされていますが、その一方で赤ちゃんには与えてはいけないともいわれています。犬でも同じような話を聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか。
まず、犬にはちみつを与える時に懸念されるのが、カロリーの高さです。はちみつ自体の糖分が高いので、人間よりもサイズの小さい犬にとっては、とてつもないカロリーになってしまいます。
確かに、はちみつを与えすぎると糖分・カロリーともに過剰摂取となり、肥満につながってしまう可能性がありますが、カロリーの過剰摂取という観点では、少量のはちみつならとくに問題はありません。
犬にはちみつを与えない方がよい理由
しかしながら、はちみつには一つ大きな問題があります。それは、ボツリヌス菌の感染です。はちみつの主成分は糖分とビタミンなので、過剰摂取しなければ栄養素的には問題ありません。ただ、ボツリヌス菌が含まれている可能性があることから、「はちみつを犬に与えてはいけない」といわれています。
このボツリヌス菌は、自然界に広く存在している細菌の一種で、魚や野菜、ビン詰などにも混入することがまれにあり、食中毒を引き起こすことがあります。
じつは、はちみつはこのボツリヌス菌に汚染される危険性がある食品で、日本で出回っている約5%のはちみつはボツリヌス菌に汚染されているといわれます。このため、腸内細菌の環境がまだ整っていない1歳未満の人間の赤ちゃんには、はちみつを与えてはいけないといわれています。同じように考えると、仔犬の場合も、はちみつを与えるのは控えた方が賢明です。
もし仔犬がはちみつを口にしてしまったら
飼い主が知らない間に、誤って仔犬がはちみつを舐めてしまったとしましょう。万が一、ボツリヌス菌に感染してしまった場合、初期症状としては、腹痛・吐き気・嘔吐などが起こります。はちみつを食べた後に犬が体調を崩した時は、すぐに動物病院に連れていきましょう。
はちみつには豊富な栄養素が含まれており、また、抗炎症作用などもあるといわれています。しかし、ボツリヌス菌の問題や、食べすぎによるカロリーの過剰摂取などのリスクを考えると、犬には与えない方がよい食材といえるでしょう。また、良質なフードをしっかり食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。ほかの食べ物を与えることで、それまで食べていたフードを食べなくなる場合もあります。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時などに参考にしてください。
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