【獣医師監修】犬の目の下の腫れ。その症状から疑われる病気とケアの方法
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【獣医師監修】犬の目の下の腫れ。その症状から疑われる病気とケアの方法

犬の目の下が腫れている…何か目の病気かな? と心配になってしまいますね。しかし、この犬の目の腫れ、原因は目の病気だけとは限りません。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬の目の下が腫れる原因

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犬の目に限らず、飼い主が見た目で「これはいつもと違う」とわかるような症状は、何かしらの病気であることが多いです。ただ、今回解説する目の下の腫れという症状は、目に関する病気のほか、「ここが病気になったの?」と思うような場所の異変のサインかもしれません。

犬の目の下が腫れている時に考えられる病気

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犬の目の下が腫れている時には様々な原因が考えられますが、まずは目の病気について解説します。

眼瞼炎

眼瞼炎はまぶたに炎症が起こる病気で、皮膚炎から併発することもあれば、まぶたの内側である結膜炎から併発することもあります。
原因としては、寄生虫性、細菌感染(ものもらいなど)、真菌感染、免疫性、アレルギー性など様々です。まぶたが腫れたり、脱毛したり、痛みをともなったりします。

腫瘍

まぶたや涙腺などに腫瘍ができることにより腫れることもあります。眼球内などに腫瘍ができることもありますが、その場合は、まぶたの下が腫れるというよりも、目全体が押し出されるような見え方をします。

続いて、目以外の病気原因となっている場合です。

歯周病

歯周病は犬の病気の中でもポピュラーなもので、重症化すると、歯根にたまった膿が皮膚を破って排泄されることがあります。上顎の歯根を悪くすることで、ちょうど目の下辺りが腫れてきて、そこから排膿することがあります。

歯周病は予防ができる疾患なので、日々のデンタルケアが大切です。

アレルギー

アレルギー反応のために、目の周囲が腫れることがあります。この時は、直前に普段と違ったことをしていないかを思い出してみましょう。散歩のルートを変えたり、フードの種類を変えたり、ケージの場所を変えたり…些細な変化でアレルギーが出ることがあります。アレルギーは時間が経つと収束していきますが、緊急対応が必要な場合もあるので、念のため獣医師の診断を仰いだ方がよいでしょう。

このように、目の病気以外でも目の下が腫れることがあるのです。

犬の目の下が腫れている時の対策

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眼瞼炎による腫れなどは、ひどくなる前に気づいてあげることが大切です。目を気にする素振りをみせたら、なるべく早く動物病院を受診するようにしましょう。また、目やにや涙をそのままにしておくことは、犬の目の衛生上良くありません。散歩から帰ってきた時も、やわらかい布などで拭き取ってあげるとよいでしょう。

また、このようなケアをいきなりしようとしてもなかなかさせてくれないのが犬です。そのため、仔犬の頃から目のケアに慣れさせておくことが大切です。コミュニケーションの一部として、遊びの時に目のケアもしておくと、大きくなっても嫌がることが少なくなります。

犬の目の下が腫れるのには、様々な原因があります。目の病気の場合は見た目でわかることが多いですが、ほかの部位が原因の場合…とくに歯周病が引き起こしている目の下の腫れは、日頃から歯のチェックをしておかないとなかなか気づかないかもしれません。どのような病気にも共通していますが、日頃から異常がないかをチェックすることが、犬の健康につながります。

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