【獣医師監修】猫のトイレ | しつけ方やトイレ環境、 失敗した時の対策など

トイレトレーニングを始める時期はいつがベスト? 決めた場所で排泄させるトイレトレーニングは、仔猫の時は比較的簡単ですが、成猫になるとちょっと大変です。いずれにしても、慣れるまでの期間は個体差があるので根気強くトレーニングしてください。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

理想的なトイレ環境

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猫を飼ったら、まずやらなければならないのがトイレのしつけです。早く覚えてもらいたいと願うのは、飼い主ならだれしも同じだと思いますが、そのためにも、猫にとって理想的なトイレ環境を整えてあげることが大切です。

トイレは、人の行き来が少なく、食事をするところから遠く離れている場所に設置しましょう。風通しがよければなおベストです。わたしたち人間にとってもトイレは一人になれる大切な場所といえます。誰にもじゃまされず、ゆっくり用を足せる場所を好むのは猫も同じです。

猫のトイレはオープン型、ドーム型などいろいろありますが、掃除がしやすいなど、使いやすさを考慮してそろえるといいでしょう。ちなみに、猫は広めのトイレを好む傾向にあるようです。猫砂もいろいろありますが、家に来る前の環境で使用していたものがあれば同じものを用意します。猫がなかなか用を足してくれない時は、他の猫砂に替えてみるなどいろいろ試してみましょう。

猫はきれい好きな動物だけに、トイレが排泄物で汚れていたら、他の場所で粗相をしてしまうことがあります。トイレは猫が排泄するたびに汚れを取り除き、清潔に保つことを心がけましょう。トイレのしつけは、理想的なトイレ環境をつくることが成功の秘訣です。

トイレトレーニング

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トイレの置き場所が決まったら、次はトイレトレーニングです。猫は自分の臭いのついたものがあると安心するので、始める前にトイレの中に猫のおしっこのついたものを入れておきましょう。

猫は床の臭いをかぎながらうろうろするなど、排泄する場所を探すような仕草をします。それを「トイレサイン」といい、それが見られたらトイレに連れて行きましょう。

猫によって個体差があり、すぐ覚えてくれる猫もいれば、覚えるまでに時間のかかる猫もいます。トイレに連れて行くのを繰り返し、3~4回続けて排泄できれば成功と考えていいでしょう。

一方、成猫や野良猫だった猫もトレーニングを重ねればトイレで排泄をしてくれるようになりますが、とくに野良猫だった場合では、今まで土の上や砂など粒子の細かい場所で排泄していた可能性が高く、気に入る猫砂が見つかるまで粗相を繰り返すかもしれません。

まずは、トイレに排泄するということを学習させる必要があります。基本的に猫はキレイ好きであり、あちこちに排泄することはないため、トイレを気に入ってもらうことが成功の秘訣でしょう。可能であれば違う形のトイレ、違う猫砂のトイレを複数用意してみるのも効果的です。トイレを気に入る前に、バスマット、飼い主のベッド、クッションなどに排泄をしてそこを気に入られてしまうと、修正するのがとても大変です。トイレを覚えるまではバスマットやクッションはしまったり、ベッドの部屋には入れないようにするなど工夫しましょう。

粗相をした時の対処法

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もし、粗相をしてしまったとしても怒ってはいけません。猫にとっては「おしっこをする=怒られる」と学習し、飼い主のいないところで排泄するようになってしまいます。

猫は自分の臭いがついた場所に繰り返し排泄する習性があるので、粗相をした場所は住宅用の洗剤などを使って徹底的に消臭してください。猫が嫌がる臭いの「しつけスプレー」も販売されているので、そうしたグッズを使うのも一つの方法です。

また、粗相を繰り返す場合はトイレも見直してください。「なかなかトイレに入ろうとしない」「排泄時にトイレのふちに肢をかける」「排泄後に砂をかけない」「肢を振って猫砂を気にする素振りを見せる」などの行動は、トイレに不満を持っているサインです。場所、トイレ、猫砂などを今一度見直してみましょう。

なお、それまで粗相をしたことのない猫が、違う場所で排泄した時は消化器疾患や泌尿器疾患などの病気の恐れがあります。排泄物や排泄時の様子をよく観察してみましょう。また、なんらかのストレスがかかった時や、トイレで恐い思いをした(トイレに入った時に大きな物音がしたなど)時などに粗相をすることもあります。

猫のトイレは室内の動線上には置かず、落ち着いた場所に設置し、猫がリラックスして排泄できるようにしてあげる必要がありますが、時には猫に気づかれないように排泄時の様子などもチェックし、健康管理に役立てましょう。

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