【獣医師監修】スコティッシュフォールドの理想的な体重と、肥満のチェック方法
小さく折りたたまれた耳と、可愛い丸顔が特徴のスコティッシュフォールド。大切な愛猫に一日でも長く健康に暮らしてもらうためには、日頃の健康管理が重要です。その健康のバロメーターとなるのが、体重の変化。では、スコティッシュフォールドの理想的な体重はどれくらいなのでしょうか。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
スコティッシュフォールドの成猫の体重
Nikita Bersenev/Shutterstock.com
スコティッシュフォールドの平均体重
●オス:3.0~6.0kg
●メス:2.5~5.0kg
もちろん、猫の体重には個体差がありますが、スコティッシュフォールドの平均体重は、ほかの猫種とほとんど変わりません。オス猫の方が、若干大きくなる傾向にあるようです。
一般的には、1歳頃の体重がその猫の理想体重といわれています。その数値を基準に、肥満の程度を確認することができるので、ぜひ記録に残しておきましょう。
ただし、猫の成長スピードには個体差があります。とくに、一部の大型猫種では、3~5歳頃まで成長が続く場合があるので、正確な適正体重を知りたい場合は、かかりつけの動物病院に相談しましょう。
猫の肥満のチェック方法
猫にとって、肥満は万病の元といわれています。上述の通り、成猫になった時の理想体重は1歳頃の体重が目安となりますが、およそ1年以内に15%程度の増減であれば、健康上の問題はないといわれています。
しかし、短期間に15%程度の体重の増減があった場合は肥満、もしくは何らかの病気にかかっている可能性があるため、動物病院を受診して体重の増減の原因を調べる必要があります。
なお、猫が肥満かどうかを判断するためには、動物病院で体脂肪や体重を測定するほか、猫のカラダの状態から推察することもできます。
肥満の猫の場合
体脂肪が35%以上、体重が理想体重の123%~146%の場合、その猫は太りすぎ(=肥満)であると判断できます。
肋骨が皮下脂肪に覆われてしまい、触ってもどこにあるのかわからない状態になっています。また、腰のくびれはなく、お腹は垂れ下がっています。顔や足にも脂肪が溜まり、背中が広くなります。
体重が理想体重よりも重い状態の猫の場合
体脂肪率が25%~34%、体重が理想体重の107%~122%の場合、やや太り気味であると判断できます。
肋骨は触ることが難しく、腰のくびれもほとんどない状態です。お腹は少し垂れ下がり、背中もやや広がっています。
猫のダイエット方法
Anastasiya Bodrikova/Shutterstock.com
成猫が肥満、もしくは太り気味の状態になると、様々な病気を発症する可能性があるほか、足腰への負担も増えます。健康維持のためにも、ダイエットをして猫の体重や体脂肪を減らしましょう。
食事の内容を変える
猫用のフードにも、低カロリーのダイエットフードがあります。太りすぎたからといって食事の量を減らすと、猫に大きなストレスを与えてしまうほか、栄養バランスの乱れを生じる可能性があるため、ダイエット用のフードを利用することで、摂取カロリーを減らしましょう。
ただし、いきなりすべてのフードをダイエットフードに変更すると、食欲が落ちたり、嘔吐や下痢などを起こしたりする場合があるので、それまで与えていたフードに少しずつ混ぜながら慣らしていきましょう。
食事を複数回に分ける
1日の食事の総量はそのまま、回数を増やして与えることで、脂肪の蓄積を抑えることができます。
運動で脂肪を燃焼させる
人間と異なり、猫を運動でダイエットさせるのは非常に難しいといわれています。とはいえ、運動によってカロリーの消費量を増やし、脂肪の燃焼を促進することはできるので、猫じゃらしなどのおもちゃを使って一緒に遊んであげましょう。猫にとっていい運動になるだけでなく、猫と飼い主のコミュニケーションにもなるので、一石二鳥です。そのほか、キャットタワーの上に食事を置くようにするだけでも、猫が上下運動をする機会を増やすことができます。
ぽっちゃりした猫は可愛いものですが、肥満は猫のカラダに大きな負担を与えます。一日でも長く一緒に暮らしていくためには、愛猫の体重を適正に保つことが大切です。日頃から猫とコミュニケーションをとり、体型の変化にすぐ気づけるようにしましょう。