【獣医師監修】犬にコーヒーはNG! コーヒーに潜むカフェイン中毒のリスク
毎朝のコーヒーが日課という飼い主は多いと思いますが、じつは犬にとってコーヒーは非常に危険な飲み物です。コーヒーに含まれるカフェインは、犬に中毒症状を引き起こす可能性が大です。今回は、犬とコーヒーについて解説していきます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬にとってコーヒーは危険な飲み物
最近では、コーヒーは眠気の防止やダイエットに効果があるといわれ、さらには適量の摂取であればがんの予防にもなると謳われるなど、健康的なイメージが強くなってきています。しかし、人間には良い影響を与えるコーヒーは、犬にとっては中毒症状を引き起こす、絶対飲ませてはいけない飲み物なのです。
犬がコーヒーに含まれるカフェインを摂取すると、以下のような症状がみられます。
●落ち着きがなくなる
●呼吸が速くなる
●震え、痙攣
●不整脈
上記の症状以外にも、血管が拡張することにより、うっ血や出血を引き起こすこともあります。
犬に与えてはいけないカフェインを含む飲み物
コーヒー以外にも、カフェインを含む飲み物はたくさんあります。ざっと挙げるだけでも紅茶、緑茶、コーラ、栄養ドリンク(眠気覚ましの効果があるもの)など。この中でもとくに危険なのが栄養ドリンクで、相当量のカフェインが含まれます。
ほかにも注意してほしいのが、玉露です。お茶の中でもっともカフェイン濃度が高いとされています。もちろん、茶葉そのものを食べた場合も中毒を起こすので、茶葉の保存容器などは犬の届かない場所に置くようにしましょう。
ちなみに、犬がカフェインを摂取した場合の致死量は、体重1kgあたりカフェイン150mg程度が目安となっています。
しかし、この量はあくまで目安なので、少量のカフェインで中毒症状を起こす犬はたくさんいます。量にかかわらず、カフェインが含まれている飲み物には犬を近づけないようにしましょう。
犬が万が一コーヒーを飲んでしまったら?
では、もし犬がコーヒーを飲んでしまった時は、どのように対処すればよいのでしょうか。ちょっと舐めた程度であれば、慌てず犬の様子を見守りましょう。基本的に、少量のコーヒーで重度の中毒症状に陥る心配はないといわれていますが、カフェインに対して極度に弱い体質の犬もいるので注意は必要です。1~2時間様子を観察し、いつもと違う様子がみられた時は獣医師に相談しましょう。治療にあたっては、「コーヒーを飲んだ時間」「どれくらいの量のコーヒーを飲んだのか」などの情報が重要になるので、あらかじめ把握しておきましょう。
また、コーヒー豆やインスタントコーヒーの粉を大量に食べてしまった場合は、すぐに動物病院に連れていってください。
このように、コーヒーは人間の健康に役立つ要素が多い飲み物ですが、犬にとっては中毒を引き起こす危険な飲み物です。コーヒーをはじめとしたカフェインを含む飲み物に犬を近づけない、飼い主が飲んでいる時には犬が舐めてしまわないように気をつけることが大切です。これらのことを理解して、楽しいドッグライフを送りましょう。
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