【獣医師監修】猫が腕枕で寝ている時ってどんな気持ち?

猫は寝るのが大好き。時には飼い主の腕を枕にして眠ることも。猫好きの人からすれば、この上ない幸せを感じる瞬間です。飼い主の腕枕で寝ている時、猫はどんな気持ちでいるのでしょうか。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

猫が腕枕で眠る!

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飼い主が寝ている時、猫が布団の中に潜り込んできて、飼い主の腕を枕に眠る。猫を飼っている人なら、よく経験する行動です。飼い主に甘えるようなその行動はとても可愛らしいものですが、猫が飼い主の腕を枕に眠るというのは、単に甘えているだけではないようです。

猫が腕枕で寝る時の心理

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猫が飼い主の腕を枕に眠るということは、飼い主のことを100%信頼しているといっても過言ではありません。ここでは、猫が飼い主の腕枕で眠る時の心理を解説します。

温かいから

単純に人間が温かいからくっついてくるというのも一つの理由です。秋冬になると気温が下がり、猫は暖を取るために人間の布団の中に入ろうとしたり、腕枕で眠ったりします。猫は賢く、温かい人間にくっついて眠ることで、自分も温かく過ごすことができるというのを理解しているのです。

自分の縄張りだと主張しているから

猫は自分の縄張りの中で生きている動物です。あなたが室内で猫を飼育している場合、 猫にとって、身を隠せる布団は安心できるお気に入りの場所であることが多いでしょう。

そして、お気に入りのものに自分のニオイをつけ、ここが自分の縄張りであるとさらに安心することができます。

そのニオイを発するための分泌腺が、顎の下にあります。 腕枕をする時に、自分の顎をぐりぐりとこすりつけるような仕草をする場合は、「ここは大好きな自分の場所! 」と主張しているのかもしれません。

とくに飼い主がお風呂に入った後は、その行動が顕著に現れるといわれています。その理由は、飼い主がお風呂でカラダを洗ったせいで、せっかくつけた自分のニオイがすべて消えているからだと考えられています。

母親の温もりを感じているから

野外で生活をしている野良猫は、仔猫の時にだけ母猫や兄弟猫と共に暮らします。 仔猫がメスの場合はそのまま近くで生活をしていくことが多いですが、オスの仔猫は生後6ヶ月までには、母娘のコミュニティーから遠く離れるように強制的に親離れさせられます。これは、性成熟をむかえる前に縄張りから遠ざけることで、近親相姦を防ぐためだと考えられます。

しかし、室内で飼育している飼い猫の場合、母猫の代わりである飼い主が常に側に居るため、仔猫が成猫に成長しても親離れを強いられることがありません。そのため、甘えたい気持ちを抑えることなく、仔猫が母猫のそばで眠るように、腕枕に寄り添っているとも考えられます。

安らぎを感じているから

これら様々な理由を述べてきましたが、その大元になっているのは、やはり飼い主に対する信頼感でしょう。飼い主のことを信頼していなければ、腕枕で休むことは考えられないことです。

猫の顎をやさしく撫でた時、猫がゴロゴロと音を鳴らしているのを聞いたことがありませんか? これは、猫が喜んでいる証拠であると考えられています。自分のすぐそばでくつろぎながら喉を鳴らしてくれていたら、猫がとても安らぎを感じていると思うと嬉しいですね。

猫を含めた動物にとって、顎は攻撃された時に命に関わる、いわば急所なのです。もし、猫が警戒心を現している時には、うずくまった体勢になります。急所である顎を守っているのです。

飼い主の腕枕で眠るということ。言い換えれば、飼い主の腕に自分の急所を預けている状態であるということです。それほどに、飼い主を信頼し、側に居ても、また自分の弱点をさらけ出しても大丈夫と猫が判断しているからこそ、腕枕に自分を預けているのです。

猫が腕枕で眠るのは信頼している証拠

このように、猫が飼い主の腕枕で眠るということには様々な心理が働いています。ただ、飼い主を信頼しているからこそ取れる行動であるということは断言できます。猫が腕枕で安らぐ時、それは飼い主にとっても最高の安らぎでもあるといえるでしょう。

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