文鳥が卵を産んだ! 産卵時の対処法について

文鳥はペアではなくメスを一羽飼いしている場合でも発情し、無精卵を産むことがあります。有精卵、無精卵それぞれ注意して対処しなければいけません。

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文鳥の卵

メスの文鳥は発情すると産卵します。産卵は成長のあかしであり、自然の摂理でもあります。個体差はありますが、文鳥は一般的に生後半年くらいで産卵可能な成鳥に育ち、5歳くらいまで産卵します。産卵時期は9月~翌5月くらいで、寒くなると繁殖の季節を迎えます。平均して1週間ほどで計5~6個、1日約1個のペースで産卵します。

文鳥は1羽で飼っていても、飼い主やおもちゃなどに発情して無精卵を産むことがあります。一方で、オスとメスのペアで飼っている場合でも、相性が悪いと産んだ卵が無精卵であることがあります。相性がいいペアは発情期になると頻繁に交尾し、有精卵を産みます。メスは体内に精子を保存できる器官があり、卵巣から送り出される卵子を一つずつ授精させながら産卵していきます。

産んだ卵が無精卵もしくは有精卵であっても、メスにとって産卵はカラダに大きな負担がかかる行為であり、「卵詰まり」という命に関わる病気の原因となる場合もあります。繁殖を前提としてペアで飼育している場合にはおめでたい出来事ですが、文鳥の健康を保つために、無精卵はなるべく産ませないようにすることが大切です。文鳥にとって無精卵を産むことによるメリットは、何もありません。

無精卵の場合

1羽飼いのメスが産む卵は、ふ化することがない無精卵です。産卵後すぐに抱卵が始まりますが、この時に卵を取りあげてしまうと、不足分の卵を補充しようとしてさらに産卵することがあります。産卵数の増加は文鳥のカラダにさらなる負荷をかけることになるため、無精卵を見つけた場合は、そのまま何もせずに放置しましょう。文鳥は卵が17日前後を経てもふ化しないと、抱卵をやめるため、そうなったら無精卵を取り上げても大丈夫です。

抱卵中の無精卵は腐敗が進むので、衛生面で気になるようなら、ショップで販売している偽物の卵「偽卵」を入手し、本物の卵とすり替えておく方法もあります。偽卵を温める文鳥の姿を見ると心が痛みますが、気が済むまで抱卵させるのも文鳥のためです。

産卵によるリスクを避けるためには、最初から産卵させない工夫をすることも重要です。文鳥は発情しなければ産卵しないので、日頃の生活環境からメスの発情の原因を取り除きましょう。

発情の要因としては、以下のようなものが挙げられます。
●脂肪やたんぱく質が豊富な高カロリーの食事を与えられている
●飼い主との過度のスキンシップやおもちゃ、鏡などの発情対象がある
●部屋の気温が一定で季節感がなく、繁殖期が通年にわたってしまう
●1日のうち暗い時間が多く、繁殖期と勘違いしてしまう

対策方法としては、エサは栄養バランスを考え、与えすぎないようにしましょう。過度なスキンシップは控えることや、気温は一定にせず、ある程度の気温変化から季節感を感じさせるようにすることも大事です。部屋を明るくすることも対策に繋がりますので、一日11~12時間以上暗くしないようにしてください。
また、ケージ内に壺巣やおもちゃを置くと、繁殖の気分を起こしてしまいますので、これらを置くことは避けましょう。

有精卵の場合

繁殖を前提にペアで飼育している場合は、ケージ内に壺巣を用意しておきます。壺巣があるとメスは発情しやすくなり、産卵場所としても壺巣は最適です。産卵後はオスとメスが交代で抱卵します。前述のとおり抱卵してから17日前後で雛がふ化しますが、その間に飼い主ができることは、いつもよりカルシウムとビタミンが豊富なエサと水を用意することくらいです。

壺巣の中を飼い主が頻繁に覗いたり、卵に触れたりすることは、文鳥にとって大きなストレスとなります。また、卵には無精卵と有精卵が混在していることがあり、1週間ほど経つと卵の中に血管が形成されて検卵が可能になります。飼い主としては巣の中の様子を見たい、検卵して無精卵があったら取り除きたい、という気持ちになりますが、卵に触れると文鳥が抱卵をやめてしまうことがあります。エサと水のお世話以外は手を出さず、静かに見守ってあげましょう。

ふ化した雛には、親鳥がエサを吐き戻して食べさせます。そのため、親鳥に与えるエサの量は、普段より増やす必要があります。主食のほか、小松菜や豆苗などの青菜類やアワ玉も与えましょう。ただし、太り気味の文鳥はアワ玉は避けた方がいいので、要注意です。

有精卵であっても無精卵であっても、産卵は文鳥のメスにとって命がけの作業です。産卵時にかかりやすい病気、「卵詰まり」にも要注意。お尻のあたりが膨らんでいたり、エサを食べずに水ばかり飲んだりしている時は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

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