【獣医師監修】オシキャットの特徴や性格、飼い方について
アビシニアン、シャム、アメリカンショートヘア。この3種類の猫を交配して誕生した猫種がオシキャットです。二代にわたる交配の末に作出されたオシキャットは、ブリーダーたちの努力と執念の結晶です。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
オシキャットの歴史
1964年、アメリカ・ミシガン州に住んでいたブリーダー、ヴァージニア・ダリーが偶然にもスポット模様をした猫を誕生させました。じつは、チョコレートポイントのシャムと、アビシニアンとシールポイントのシャムを親に持つ猫を交配してアグーティポイントのシャムを作出しようとしていた時に、その猫は誕生しました。それが、オシキャットです。その後、別のブリーダーもこの新種を繁殖させようと血統の改良に加わり、アメリカンショートヘアと交配させることで、がっしりとした体形を持つ、現在のオシキャットになりました。
ちなみに、オシキャットとは「野生の猫」を意味する「オセロッテ」と、偶然生まれた品種である「アクシキャット」を組み合わせてできた名前です。
オシキャットの特徴
オシキャットの特徴は、頭がくさび形で耳は大きく、目は大きなアーモンド形をしていることです。目の色は青以外すべて許可されていて、まっすぐで長いしっぽの先端は黒いのも特徴です。そして、オシキャットの最大の特徴といえば豹柄のようなスポット模様ですが、これはアメリカンショートヘアが持つクラシックタビー模様が変形したものです。
また、オシキャットの標準的な体重は3.5~6kg程度、筋肉質のしっかりした、中型からやや大型に分類される体躯をしています。
オシキャットの性格と上手な付き合い方
オシキャットは、人間になつきやすく社交的な一面を持っています。飼い主だけでなく、見知らぬ人に対しても甘えるほどなので、非常に飼いやすい猫です。また、賢さも持ち合わせていて、投げたおもちゃを飼い主のもとに届けたり、名前を呼ぶと返事をしたりすることもあります。
しかし、あまりに甘えん坊なため、十分なコミュニケーションがないとストレスをため込んでしまうので、毎日遊んであげることが大切です。このように人懐こい性格なので、ひとりで留守番をすることが大の苦手です。また、大柄な外見とは違い、気が弱く依存心が強い猫なので、猫同士のテリトリー争いも苦手としていて、それがストレスにつながることもあります。
留守が多い家庭でオシキャットを飼う場合には、相性のよい猫か面倒見のよい犬との多頭飼いを検討した方がよいかもしれません。
オシキャットと長く快適に暮らすためのヒント
オシキャットは遊ぶことが大好きです。また、高いところも好きですが、カラダが大きいので丈夫で安定したキャットタワーを用意するようにしましょう。
また、オシキャットは、アビシニアン、シャム、アメリカンショートヘアという3種類の猫の血を引いているため、それぞれがかかりやすい疾患の傾向を引き継いでいる可能性がありますが、オシキャットのみが発症する疾患は少ないです。
膀胱炎や皮膚に関する病気のような、どんな猫にでも起こりやすい病気はオシキャットも発症します。膀胱炎は、おしっこの回数が増えるにも関わらず、量が少なくなるので、飼い主が日頃からチェックしていればすぐに気づく病気です。この膀胱炎を放置しておくと、尿路結石などもっと厄介な病気につながってしまうことがあるので、普段と違うなと感じた時は獣医師の診断を仰いだ方がよいでしょう。
また、オシキャットはやさしく繊細な性格なので、ストレスにより脱毛を起こすこともあります。留守番が多くなったり、ほかのペットを迎えたり、赤ちゃんができたりすると、嫉妬心からストレスをため込む可能性もあるので、そのような時はしっかりと気を遣ってあげるようにしましょう。
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