私たちの頭皮にも出ることがある、白いパラパラとしたフケ。
猫も同じようにフケが出ることがありますが、その正体は一体何なのでしょうか。
原因や予防策、もしかしたら病気が隠れている?など、猫のフケについて詳しくみていきます。
猫のフケとは?
フケは、古くなって剥がれ落ちた皮膚の角質のことをいいます。
皮膚の細胞は絶えず新陳代謝、いわゆるターンオーバーを続けているため、フケが出るのは
正常なことです。
少量であれば心配する必要はありません。
いつもより量が多い?心配な猫のフケ
前述のとおり、猫のフケは少量であれば問題ありませんが、その量が多い時は要注意です。
何かしらの健康トラブルが潜んでいる可能性もあるため、注意深く様子を観察しましょう。
例えば、
・歩くだけでパラパラと大量にフケが落ちてくる
・毛をかき分けたときにフケの塊がある
などの場合は早めに動物病院へいきましょう。
猫がしきりに体を掻いていないかなども確認が必要です。
フケが出来てしまう原因は?
猫のフケの原因には様々なものがありますが、ここではよくある原因を紹介します。
原因①乾燥
乾燥によって皮膚の水分量が減ると、細胞のターンオーバーが早くなりフケが出やすくなります。
原因②ケア不足、または過度なケア
猫は毛づくろいをするため、自然と発生する正常なフケは綺麗に処理することができます。
しかし、あまり毛づくろいをしない猫の場合は、どうしても被毛にフケが溜まってしまうことがあります。
また、飼い主さんによるブラッシングも頻度が少ないと、フケの発生原因になります。
反対に、頻度が多すぎたり、力強くブラッシングしてしまうと、皮膚が傷つき角質が剥がれ、かえってフケを増やしてしまうこともあるので注意が必要です。
原因③緊張・ストレス
持続的な緊張やストレスにより、フケが出ることもあります。
また、ストレスによる過度な毛づくろいが皮膚にダメージを与え、フケの原因となることもあります。
原因④食事
偏った食生活によって皮膚のターンオーバーが乱れ、それがフケの原因となることもあります。
ごはんを食べずにおやつばかり食べていたり、手作り食しか食べないような食生活は要注意です。
原因⑤加齢
年齢を重ねると、毛づくろいをする時間が少なくなりフケが溜まりやすくなります。
また、皮脂の量が減り皮膚が乾燥しやすくなるため、フケが増えることがあります。
猫のフケ予防・対策は?
猫のフケ予防や対策のためにできることをご紹介します。
対策①:ブラッシングをしっかりする
定期的なブラッシングは、フケを綺麗にしてくれるだけでなく、被毛の毛玉を防いだり、ノミ・マダニなどの寄生虫の早期発見にもつながります。
ただし、過度なブラッシングはNGです。皮膚への刺激が強くならないよう、程よいケアを心がけましょう。
対策②:保湿をしっかり行う
冬場の乾いた空気はもちろん、夏場でもエアコンや扇風機による乾燥には十分注意し、適度な湿度を保つようにしましょう。
保湿のできるブラッシングスプレーや、全身に使えるドライシャンプーなどでケアしてあげるのもおすすめです。
対策③:食事を見直す
おやつや手作り食ばかりに偏ることなく、栄養バランスの整った市販のフードを中心とした食生活にしましょう。
また、バランスの良い食事をとっているつもりでも、必要な栄養素が不足しているためにフケが出てしまうこともあります。
食事の見直しをするときには、いつも食べているフードやおやつと一緒に獣医師に相談してみるのが良いでしょう。
対策④:ストレスを減らす環境作りをする
猫がストレスを感じる要因は様々です。
例えば、
・家の中で爪とぎができない
・ジャンプしながら上下運動できる場所がない
・排泄物を隠すことができない
などの環境は、猫にとってストレスになります。
また、猫はマイペースで過ごすことを好むため、大好きな飼い主さんとのコミュニケーションも時としてストレスになることもあります。
猫がくつろいでいるタイミングではスキンシップを控えるなど、のびのびかつ落ち着いて過ごすことのできる環境作りを心がけましょう。
猫のフケがいつもより多いかも…考えられる病気は?
あまりにもフケの量が多い場合、何かしらの病気にかかっている可能性もありますので、注意が必要です。
ここでは、猫のフケが多い場合に考えられる病気について説明します。
アレルギー性皮膚炎
猫のアレルギー性皮膚炎は、
・食物アレルギー
・ノミアレルギー性皮膚炎
・アトピー性皮膚炎(正確には「非ノミ非食物アレルギー性皮膚炎」
の3つに分類されます。
どれも非常に強いかゆみを伴うもので、猫が体を掻きむしってしまい、フケの量が増えることがあります。
猫がしきりに体を舐める、噛む、掻くなどしていたら、アレルギー性皮膚炎の可能性があります。できるだけ早く動物病院へ連れていきましょう。
動物病院では、必要に応じてかゆみや皮膚の炎症を抑える治療を行いますが、症状の重症化や再発防止のためには、アレルゲンの特定も大切です。
どのように特定するかなども、獣医師と相談しながら進めていきましょう。
真菌による皮膚炎
真菌(カビ)が原因で皮膚が炎症を起こし、フケの量が増えることがあります。
アレルギー性皮膚炎ほどのかゆみはありませんが、毛束が抜け落ち、脱毛します。
また、他の動物や人間にも感染する可能性があるので、早期発見、早期治療が大切です。
動物病院では抗真菌薬による治療ができるので、たくさんのフケとともに脱毛が見られた場合は、早めに受診しましょう。
内科疾患
猫の皮膚や毛艶には、体の状態がそのまま映し出されるものです。
つまり、フケが多いということは「栄養状態が悪い」「脱水症状」があるなど、何らかの健康トラブルが起こっている可能性があります。
実際に、慢性腎臓病や慢性腸症、糖尿病などの症状の1つとしてフケが増えることがあります。
フケ以外にも、
・多飲多尿
・食欲低下
など、いつもと変わった様子がないかをしっかりと見てあげることが、病気の早期発見につながります。
寄生虫による皮膚炎
大量のふけが出る原因として、寄生虫によって起こされる「疥癬」などがあります。
また、ノミの寄生による皮膚の炎症も、フケの量が増える原因の1つです。
ノミやマダニの寄生は、かゆみと皮膚症状を引き起こすだけでなく、二次的に様々な感染症を引き起こす可能性もあり決して侮れないものです。
大量のフケに加え、
・猫がしきりに体を掻いている
・黒っぽい小さな粒が被毛に付いている
などの症状が見られた場合、ノミやマダニに寄生されている可能性があります。
飼い主の衣服などに付着して室内に入り込むこともあるため、室内飼いの猫だからといって油断はできません。また、ノミは室内に入り込むと、室内で繁殖する厄介な存在です。
もしノミやマダニの寄生を発見したら、専用の駆除薬で速やかに対策するようにしましょう。
専用の駆除薬の中には、すでに寄生してしまったノミ・マダニの駆除はもちろん、ノミについては再繁殖・再寄生の防止にも効果的なものもあります。
猫のノミ・マダニ対策について、以下の記事でより詳しく解説していますので、こちらも是非ご覧ください。
▼猫のノミ・マダニ対策について、もっと知りたい!
愛する猫ちゃんをノミ・マダニ寄生のリスクから守る!室内飼いの猫ちゃんも注意
まとめ
猫のフケは、皮膚のターンオーバーによって自然と出るもの。少量であれば心配はいりません。
ただ、その量が多かったり、皮膚の炎症、猫がかゆがっている様子などがある場合は要注意です。もしかしたらそこには、何らかの健康トラブルが隠れているかもしれません。
ブラッシングや保湿などでしっかりと予防しながら、フケの量や皮膚の状態を日常的にチェックしてあげましょう。
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