【獣医師監修】犬に卵を与えてもいい? 卵の注意点について

犬用のおやつを買いに行くと、ビスケットやクッキー、ボーロといった卵を使った製品が大量に売られています。犬が卵を食べても大丈夫だからこそ、そのような製品があるわけですが、どんな状態の卵でも与えて大丈夫なのでしょうか。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬に生卵を与えても大丈夫?

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卵に含まれている栄養素の代表格はたんぱく質と脂質ですが、ビオチン、ビタミンB2、ビタミンB12などの栄養素も含まれていますし、セレンというミネラルも豊富です。これらの栄養素は犬にとって問題ありませんが、生卵に関しては、白身に含まれるアビシンという成分がビタミンB群の一つであるビオチンの吸収を阻害するので、ビタミンB群をたくさん含む食材と生卵を一緒に食べても意味がない、ともいわれています。

一方、黄身はどうでしょうか。黄身の部分は栄養価が高く、皮膚や粘膜の機能を強化してくれる働きがありますが、卵の黄身にはコレステロールがたっぷり含まれているので、与えすぎは体調不良を招きかねません。

犬にゆでたまごを与えるのは大丈夫?

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では、ゆでたまごにするとどうなのでしょうか。
ゆでたまごにしても、卵の栄養素は残ったままです。ビオチンはアミノ酸の代謝やブトウ糖のリサイクルなどを行う酵素の働きを助けてくれますし、皮膚炎を予防する働きもあります。また、ビタミンB2は皮膚・粘膜の機能を高め、ビタミンB12は赤血球の合成を助けてくれますし、セレンはがん予防・老化防止に役立つといわれています。ただし、人と犬は違う動物です。犬の場合でも、人と同じ効果が期待できるとは限らないので注意してください。

良質なフードをしっかり食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。ほかの食べ物を与えることで、それまで食べていたフードを食べなくなることもあります。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたいと考えている時などに参考にしてください。
また、卵アレルギーを持っている犬や、病気の治療などで獣医師から卵の食事制限をされている犬には、生卵はもちろんゆでたまごも与えないようにしましょう。

このように、ゆでたまごは犬の健康なカラダを維持するための栄養素が豊富に含まれている、有用な食材だといえます。しかしながら、くれぐれも与えすぎには注意してください。

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